疎と密と。
何方かと問えば、 強固な結合を生み出し得るのは、 密の側で。
疎は。
飽く迄、 密で紡いだ嘗ての絆を、 前提にしてこそ、 成るのだ。
其れ故に。
疎が、 疎の儘で残存する事は。
極めて稀有で。
其の因が、 何れに在るのか。
幾度と無く想い返しても、 不可思議なのだ。
何度か、 電信が飛び交う事も。
何度か、 電話で話した事も。
何度か、 逢った事も。
総てが、 隔年近い断片に、 過ぎなくて。
同じ様な、 希薄な繋がりの中で。
同じ様に、 何度も違う影が通り過ぎて行った、 其の中で。
「私ずっと小坊主の携帯だけは消さなかったのって。」 「好きだったからなんだよ。」
あの子の其処に、 唯一、 居続けた理由を。
きっと。
ずっと、 探し続ける様な。
そんな気がするんだ。
愚図だから。
---------- References Aug.02 2004, 「挑発の応えに成り得る質でしたか」 Oct.22 2003, 「何を残して消えたのですか」
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