今直ぐに、 其の視線に届けたいと想うだろうか。
自身の瞳の届かぬ所で、 心に留めて欲しいと想うのだろうか。
此の心臓の鼓動は。
危険を察知し、 回避行動を取り続けた。
想いの、 詰まった物で在れば。
其れは、 照れ隠しに違いないけれど。
柄じゃ無い、 其の手段を用いて迄、 伝えたい事が。
良い事ばかりの筈は無いから。
其れ故に。
「後で。」 「絶対後で。」
強硬に、 言い張り続けた口調が。
「読んだ?」 「まだ読んでないの?」
強硬な非難へ変調して、 初めて。
本心を覆い隠す為の、 偽装工作が、 照れ隠しに属すると。
ようやっと、 信じられたのかも知れない。
俺もきっと、 最初は後者を選ぶから。
初めてだったから。
驚いて、 そして怖かったから。
駄目だと、 言い続けて居た時に。
隠れて、 読んで了ったよ。
姫が、 其れを認めた時よりも。
複雑な拍動を、 此の身に、 木霊させながら。 |