お互いの立場を、 入れ替える。
相手の立場に立ち、 想う。
良く忘れて仕舞い勝ちな物だけれど、 其処には、 大切な何かが確かに在る。
僅か二月前に我が身に起こった事を、 其の儘貴女に、 起こしたかの様に。
お互いの立場を裏返した様な、 出来事。
「大丈夫?無事?」
目覚めて直ぐ事の大きさに気付き、 慌てて贈る様子伺いと。
「怖かったけれど。」 「大丈夫。」
貴女の無事を知らせる、 携帯に残された伝言。
其の一往復で、 一先ずの安心は得られるけれど。
きっと俺なら。
其れでは安心出来ずに、 直の声を欲しくて、 直の声を届けたいと。
そう想ったから。 そう願うから。
何度掛けても、 幾度掛けても、 残せぬ伝言。
貴女の携帯には。
僅か三件しか、 伝言は保存出来ないのだ。
---------- References Jul.29 2003, 「想いに気付かぬ揺れでしたか」 |