其処に、 如何なる履歴が残されて在るのか。
其れは、 知る由も無く。
其の履歴に、 抗する為の術は。
決して、 本質では無いのだけれど。
其れでも。
嘗ての痕跡よりも、 深く、 深く、 自身が穿たれる事を希い。
嘗ての想いよりも、 強く、 強く、 自身が刻まれる事を希う。
果たして。
其の場に在り続ける、 切片として。
何か、 置けるのだろうか。
何を、 置けるだろうか。
「小坊主が上にいる時に。」 「指絡めて手を握ってくれるでしょ。」 「手首押さえつけるとかじゃなくて。」
「うん。」
「寝入る時にその感覚がして即落ちした。」 「何か幸せ気分だった。」
「そっか。」
自身の、 想いの型を、 一つ。
あの子に、 届けられたのかな。
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