其の、 上流の鋭敏性は。
抑々、 御して扱う事など、 困難だけれど。
極僅かに過ぎない、 其の間隙が。
自身の隣で、 途方も無い差異へと育ち。
其の流れを堰き止め、 変えて終う様に。
何を想えるのだろう。
闘う気力を失くした自身が、 救い拾われ。
闘う気力を失くした戦友は、 時を消耗し尽くして、 前線から去る。
唯、 袂を分かつ刻とは異なる、 理不尽と諦めに。
其処に至る迄の、 葛藤と、 奮闘と、 孤立とを重ね。
溜息にして吐き捨てた。
何が違ったのだろうか。
何か出来たのだろうか。
「急なことですが30日に旅立ちます。」 「もう一度逢えるかどうかですが」 「ありがとうございました。」
最前線からの退却と、 別離とを、 告げる電信が震え。
此の期に、 何も贈れぬ自身に気付いた。
---------- References Feb.14 2011, 「壁が在るから逢わさるのでしょうか」
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