ふと吐き零す弱音には、 二種類在って。
其の両者は、 極めて異なる性質を保つ。
其れが、 自身を鼓舞する為の拍子で在れば。
弱音の度に自身を駆り、 徐々に、 徐々に、 其の途を進め行くけれど。
其れが、 自身の後押しを乞う吐露ならば。
飽く迄、 自身の心根が定まらぬ事への、 言い訳で。
決して、 益を産みはしないのだ。
寧ろ。
此の止まり木は。
害に、 他ならない。
「明日は彼のお家へ。」 「緊張で吐きそうです。」
隧道の向こうから、 零れ落ちる、 弱音。
其の受け皿は。
此処では、 無い。
幾度も、 幾度も、 伝えて来た心算なのにな。
---------- References Dec.30 2009, 「巧みに歪められましたか」
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