好きか、 嫌いか。
其の何れなのかと、 問われれば。
確かに、 後者かも知れないけれど。
嘗て。
意味を理解せぬ儘、 強制的に。
嫌悪の対象が、 自身を、 侵襲した時と。
現在。
意味を理解し、 其の必要性を踏まえた上での、 議論とを。
対等の位置に列して、 論じるのは。
著しく、 不公平では無いのだろうか。
抑も。
俺自身には。
其の機会すら、 附与されなかったと言うのに。
鬼の首を獲った様に。
「小坊主、注射を嫌がったから。」 「だから今頃、必要になっちゃったんだよ?」
姫は。
俺へと、 言葉の刃を放つ。
役所から、 派遣されて来た、 其の人は。
母と、 娘の様子を、 見に来た筈なのに。
「小坊主さんは。」 「ポリオの予防接種が必要ですね。」
俺への一言を、 残して、 去るのだった。
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