勝ちか。 負けか。
唯、 其の違いに拘る故の、 闘争心だろうか。
其れとも。
嫉妬と、 防衛本能が。
過剰に、 事を荒立てるのだろうか。
所詮。
外野は、 野次馬でしか無いけれど。
其の、 野次如きに。
心は、 惑わされ。
身体は、 踊らされて居るのかも知れない。
「凄い凄い!」
「お父さん、全部飲ませたよ!!」
「本当だ!」
「勝ちましたね!!」
「やっぱりお父さんが良いんだよねー。」
「入籍しちゃった男に用は無いよねー。」
途端に騒がしく成る、 姫や、 保母さん達に。
愛想笑いを、 振り撒きながら。
冷や汗と、 内心を、 ひた隠して。
何十年か先の、 出来事に、 想いを馳せる。
保育参観。
保父の手からしか、 飲み干す事の無かった、 人工乳を。
初めて。
娘は、 俺の手から飲み干した。
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