傍らに、 寄り添う事の適わぬ、 其の刻をも。
寄り添う為に。
互いを繋ぐ、 小さな機器へ。
相手を想起する、 音や、 像や、 人形を添え。
肌身離さず、 携帯するのだけれど。
相手を象形する、 其の形に。
互いが宿す想いの、 殆どは。
現実化する事無く。
泡沫の夢物語の如く、 狭間に、 消え行くのだ。
希う、 夢物語の。
果たして、 何割を。
贈る事が出来るだろうか。
「何から話そう。」
其の、 着信音に。
様々な話題を、 必死に、 想うけれど。
其の瞳を、 此の眼に映した瞬間に。
多分俺は。
其の唇を 塞いで了うよ。
---------- Background スピッツ " 正夢 "
---------- References May.08 2006, 「勝る術は在るのでしょうか」
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