言の葉を、 如何に料理して、 如何に使いこなすのか。
其処に、 決まり事など無いけれど。
自身の選択した、 使用法に。
自身で、 責めを負う必要は、 無いのだろうか。
其れとも、 此れが。
言の葉に対して抱く、 価値観の、 性差に過ぎないのだろうか。
覚悟を以て、 創り上げ、 放った筈の言の葉と。
応じて、 交えられた筈の、 言の葉は。
同種の言の葉だとは、 決して、 言えないのかも知れない。
戻らない。
其の、 予感に怯えながら。
「何時まで出掛けてぇんだよ。」
「連休明けよ!」
「行きたいならさっさと行けば良いだろ。」 「餓鬼の面倒くらい俺が見てやる。」
「小坊主には無理だね。」
「今更及び腰かよ。」
「勝手に女でも何でも連れ込んで下さい。」 「さようなら。」
一歩も引けぬ、 互いの、 言の葉の刃を。
蓄積した歪みを放つ様に、 衝突させたから。
往なし、 捌かれて終った、 剣先は。
宙に浮いた儘、 漂い、 惑って了う。
多分。
姫の、 最大限の譲歩だと、 想いつつ。
何の切っ掛けも、 無い儘に。
「お弁当買って帰る?」 「ここまで、娘連れて散歩に来る?」
飛び出した筈の、 姫から。
催促の、 命令口調が届いた。
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