幾重にも、 幾重にも、 仕切は在って。
開かれる扉の、 其の数は。
臨機応変に、 決められて居る筈なのに。
もしかしたら。
其の最外壁の、 開閉は。
他の扉の動向に、 無意識に、 響いて行くのだろうか。
最外壁を解放した、 瞬間に。
連動するかの様に。
他の扉が、 開き易く成るのかも知れない。
恐らくは、 誰もが。
最外壁と、 最内壁に。
最強度の扉を、 備えて居るから。
一度、 侵入に成功すれば。
容易く、 最内壁の手前迄、 進めるのだ。
「指輪。」 「開けてみる?」
包装紙に包まれた儘の、 契約の指輪に。
姫が、 興味を示した。
未だ、 何も許されては居ないけれど。
多分、 直ぐに許される。
---------- References Mar.25 2006, 「糸は切れたのでしょうか」
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