飽く迄、 自身が感知した感覚の、 素直な表出で。
技巧を含まぬ、 純度の高い言葉だから。
想いの外。
此の身に、 刻み付けられて在るのだろうか。
其れとも。
表層の言葉の、 深部に宿り在る想いを。
比較的容易に、 取り込む事の可能な、 技術が。
此の身に、 備わったからだろうか。
習慣化された、 何時もの言動とは。
明らかに異なる、 其の言葉に。
耳を疑い。
其の背景を、 訝しむ。
寝惚けて。
誰かと、 間違えたのかと。
或いは。
脳裏に隠した、 疚しさだろうかと。
俺の体温を、 感知して。
自動的に、 身体へしがみ付きながら。
「好き♪好き♪」
寝床の姫は。
何時もの表現を、 用いなかった。
温かいで。
其れで、 良い筈なのに。 |