両者の、 相違の程度に因って。
法則は、 一意的に定まり。
其の法則に、 極めて従順に。
一方が、 他方を奪い喰らうのだ。
両者の持つ、 能力は。
決して、 増幅される事など無く。
相対的に、 強い能力を有する一方から。
相対的に、 能力の不足する他方へ。
力が与えられ。
能力は、 平均化されるに過ぎないのだ。
其れ故に。
唯の、 奪われる立場は。
其の身を、 凍えさせる事しか出来ないのだけれど。
奪う身は。
極上の空間で、 悶えるのみなのだろう。
満足そうに、 其の温もりを堪能しながら。
「温かくなった?」
寝床の姫は。
俺に、 問うのだ。
温かい訳無いよ。
体温を奪われた俺は、 凍えそうなんだよ。 |