寝覚めの時が。
恒常的に、 多幸感溢れる瞬間だとは、 想わないけれど。
胸の中心に、 強い圧迫感を感知して。
心地好い寝覚めは、 決して、 訪れぬ事を悟り。
悲嘆にくれた。
此の、 分厚い氷壁を。
何時か、 溶かさねば。
進み行く事など、 出来る筈も無いなのに。
何故か。
想いが、 固執したかの様に。
抗い切れぬ圧迫感だと、 半ば、 観念して。
己の腕に、 大した力も込めずに。
白旗が、 揚がるのだ。
「如何して?」
「嫌だから。」
其の腕に。
何時から、 力を込めて居たのだろうか。
俺の胸に、 真っ直ぐ伸びる、 つっかえ棒として。
姫の腕は。
俺を、 微塵たりとも寄せ付けない。
今朝も。
何も、 話してはくれないんだろうな。 |