< 終着駅への誘いでしょうか >
其の場所へ、 辿り着いて終えば。
其処から先へ進む事は、 無いだろうから。
其の場所へ、 向かって終えば。
其処から戻って来る事など、 無いと想ったから。
如何しても、 其れを、 阻止しようと考えたのだろうか。
其れとも、 邪魔しようと考えたのだろうか。
「一緒に行くか?」
其の言葉は、 想いから出た言葉では無く。
寧ろ、 強迫で産まれた言葉かも知れない。
恐怖が、 此の身に在る事など。
全く気付いて居ないだろうけれど。
震えを極力隠す様に、 必死に、 冷静を振る舞う。
「母から妙な時間に電話来た。」 「また帰って来なさいって。」
姫の、 昼の便に。
姫の、 母親の言葉が並んで居た。
『正月以外の日に来れば?』 『どーんとあんたの事引き受けてくれる男はいないのかね?』
暗に、 来春を見越した誘いが、 其処に、 記されて居るのだ。
「一緒に行くか?」
「止めとく。」 「この人と結婚するからって。」 「初めての紹介で驚かせるんだもん。」
其の、 姫の止めとくは。
俺との未来が決まった後に、 一緒に行こうの意で。
俺とは、 行くのは止めておくの意で無い事を、 祈ってる。
---------- References Oct.24 2004, 「飛べぬ理由は何処ですか」 Oct.09 2004, 「距離は恐怖の対象ですか」 |
2004年11月13日(土)
---------- History
|