只、 悪戯に時を過ごした訳では、 無いのだ。
互いが。
正確には、 一方が。
相手を見極め、 許容か、 拒絶か、 其の判断を行う為に。
僅かばかりの、 時間が、 必要で在ったのだ。
其れ故に。
選択肢を狭めかねない、 危険因子が、 育ち行く時間に。
眼を塞ぎ。
結論を、 先延ばしにして来たけれど。
もしかしたら。
其れは、 誤りだったのだろうか。
約束の期日を、 再び破り。
「そろそろ結論出そうね。」
姫は、 其の語尾を以て。
未だに、 自身の意思を、 半分、 俺に委ねさせた上で。
姫の心身共に傷付ける、 其の言葉を、 俺の口から放てぬ事など。
十二分に、 知って居ながら。
「最悪、子供あきらめてもいいし。」
姫は、 俺の腹に匕首を突き立て、 何度も、 抉り続けるのだ。
何故に。
最悪が、 選択肢として残る?
此れだけ、 時を懸けて来たのにね。
---------- References Aug.11 2005, 「未だ時が在ると想うのでしょうか」 |