視線の、 方向転換は。
自身に不足する、 経験や、 想像力を。
少しだけ、 補足してくれるから。
想いに、 惑いが在る時には。
自身が向けて居る、 其の視線へ。
様々な変化を、 添えて観るのだ。
例えば。
自身の立場と、 相手の立場を、 逆さに入れ替えて。
或いは。
自身と同様の境遇を、 通過した、 其の想いを観察して。
けれども。
周囲の放つ視線は、 飽く迄、 正規分布を織り為すから。
分布の極地に、 特異な境遇に、 漂う想いは。
余計に、 惑いを増して了うのだろうか。
姫にも、 息子が居るのだ。
其の身を、 容易く、 置き換えられるのだ。
其れ故に。
きっと、 俺の母親が発する想いを、 俺以上に、 其の身に感知出来るのだ。
「自分の息子が。」 「10歳も年上の人を結婚したいと言って連れて来たら。」 「嫌だよね?」
「うん。」 「嫌だなぁ。」
「やっぱりなぁ・・・」
姫の親友と話した、 其の日から。
姫の眼が、 切なさを帯びて居る。
---------- References May.26 2005, 「残酷な矛盾でしょうか」 May.24 2005, 「何を指した今なのでしょうか」 |