隠した餌の在処が、 ふと、 記憶から抜けて終う様に。
もしかしたら。
秘密は、 刹那の香辛料で。
其の後に連なる、 日常と。
如何なる接点も無く、 過ごして行くのかも知れないけれど。
隠した筈の味に、 気付かれた時には。
其の、 全ての香辛料に。
一つ、 一つ、 理由付けして。
気付いた相手を、 煙に巻き、 責めを負わねばならぬのだ。
「母親二人、昨日ランチしたみたいよ。」 「何を話されてるんだろうね。」
「怖いホットラインだよね。」 「ナイター見に行った話、俺はおふくろに言ってないけれど?」
「本当に?」 「小坊主のお母さんにお土産どうもって話しちゃったみたいだよ?」
「平気平気。」 「キスの話もしてないからね。」
「あたりまえ!」
「で、本題は何?」
「あ・・・小坊主、お誕生日おめでと。」
「あ・・・それか(笑)」
露見する筈の無い事へ。
君も、 俺も。
お互いが、 怯え、 戦く位なら。
香辛料など、 振らねば良かったのに。
---------- References May.21 2005, 「何故に今だったのでしょうか」 |