此の身に、 入力される情報の内で。
視覚に支配される割合は、 殊の外、 大きいから。
例えば、 二人寄り添った画を、 目の前に飾り。
想いの対象が、 此の目に映る様に。
工夫を、 凝らすけれど。
一方で、 嗅覚に届く情報は。
本能の領域に、 直接、 刺さるから。
無意識に。
対象の香を、 求めるのかも知れない。
本能的に、 俺の匂いを求め。
「あのね。」 「小坊主の服を抱えて寝てたの。」
我が家に残した寝間着を、 頼りに。
昨夜は、 眠りに就いたと。
姫は、 報告をくれた。
俺の服を相手に、 姫は、 何をしでかしたのだろうか。
「でもね。」 「下着を履いてなかったの。」
匂いは、 直接本能に届くのだ。 |