起き抜けの一本の電話のみで、 充分だなどとは、 決して想わないけれど。
連絡をせずに過ごした、 其の理由が、 届かぬ人では無いから。
其れ故に。
体調が悪いのか、 事故か、 或いは事の発覚か。
メールにも、 電話にも、 反応の無い事へ。
余計に、 不安を抱いた。
恐らくは。
メールを贈り邪魔しては成らぬと、 気を遣って居るのだ。
久々に、 息子と出掛ける俺の母親に、 遠慮をして居るのだ。
けれども。
目には目を、 歯には歯をと。
姫が昨日味わった不安を、 俺に、 味わわせて居るのだと。
妙な考えばかりが、 脳裏に、 過ぎり続ける。
きっと、 後ろめたさなのだ。
姫への言い訳は、 同僚からの臨時の呼び出しは。
真っ赤な嘘で。
事実は、 他の人と逢って居ただけだから。 |