朝、 目覚めの其の時から、 夜、 眠りに就く迄。
同じ対象を想い続ける事が、 在るのなら。
其れが、 自身であって欲しいと、 希うけれど。
慣れるからだろうか。
或いは、 違いを感知する能力が、 相対的に、 秀でて居るからか。
其の視線は、 決して俺には向かず。
今迄と異なる環境へ、 向かうのだ。
想いと共に。
まるで、 赤子が母親を呼び続ける様に。
「寂しいよ。」
「元気かな?」
「電話してみる?」
「小坊主が居なくなっても良いけど。」
「猫居なくなると寂しいよ。」
「猫の首に携帯ぶら下げる?」
「そうしたらいつでも猫の声聞ける?」
姫は。
飼い猫の事ばかり、 口にし続ける。
お互い、 寂しさを消せずに居るのだろうか。
「本当に電話して来たんだぞ?」
一時帰宅した、 息子の、 其の表情は。
嬉しそうだった。
何時もの、 面倒と言わんばかりの表情では無く。
---------- References Jan.23 2005, 「一晩で季節は戻るのでしょうか」 Nov.29 2004, 「春は来ないのでしょうか」 |