海胆も、 針鼠も。
其の棘の数々は、 飽く迄、 自身を護る為に獲得した術なのだ。
自身を、 個として確立しようと、 努力した結果。
必然的に、 硬度や、 攻撃性が備わるのであって。
其れは。
覚悟の上で強く生きて来た証拠に、 他ならない。
其れ故に。
事ある毎に、 鋭い棘が口を吐いて了うのであって。
備わった棘は、 簡単に生え替わる代物では無いのだ。
多少の棘が刺さった位で、 背を向ける想いは。
其の言葉の数々で、 折れてしまう想いは。
想いを語る資格も無い。
誰かと共に歩く事に、 臆病に成る事は。
やむを得ない事なのだから。
其の棘が柔らかく成る迄、 刺されなきゃ。
其の身体には、 触れられないでしょう?
「何で強く言っちゃうのかな。」 「そのつもりはないのに。」
姫は、 そう零すけれど。
自然に出る棘だからこそ、 意味が在って。
そして其れは、 姫の強さ其の物なのだと、 想うのだ。 |