迷いや不安は。
何時でも、 何処でも、 誰にでも、 巣喰って居る物で。
自信や信念や、 或いは、 傍らに在る想いなど。
自身に在る、 強靱な精神力を以て。
飽く迄、 其れに蓋をして居るだけだから。
強引に縒り上げた流れが。
例え、 迷いや不安を封じる為に、 如何だけ、 有効な手段であっても。
決して、 用いてはならぬのだ。
今迄の、 相手の過去を。
払拭する為にも。
必要なのは、 進む事では無く。
並んで、 二人で、 同時に、 歩を進める事なのだ。
僅かでも、 姫の想いが進む事を。
待って居た、 甲斐が、 在ったのだろうか。
其れとも。
動かずに看て居る俺に、 姫が只、 痺れを切らしただけだろうか。
やっと。
「電話は俺の持って来るか。」 「親父の名義だけれど良い?」
「電気代の引き落としとか。」 「小坊主のそのまま移してもらって良い?」
「やっぱり一度家に来てよ。」 「必要な物チェックしないと。」
「小坊主の家?」 「嫌だよ、汚いもん・・・。」
留まって居た、 冬が。
春に、 歩み始めたかも知れない。
---------- References Dec.21 2004, 「此れが補強に成るのでしょうか」 Dec.14 2004, 「少しだけ猶予期間を創りますか」 Nov.29 2004, 「春は来ないのでしょうか」 |