体力と、 金と、 精神力と。
多くの消耗を強いる関係。
距離上回る何かを、 お互いが感じ続ける事。 距離を上回る力を、 お互いが得られている事。
大前提に疑問が生じた時に、 お互いの制約へ恨み言を吐きたくなった時に、 強固だった筈の絆は簡単に千切れる。
そんな不安と背中合わせの関係。
初めて貴女に弱音を吐いた。
貴女が側に居ない事を、 貴女が遠く離れた地に住む事を、 初めて本気で辛く感じた。
あの時から、 もう二月も経っているのか。
離れる事への理由が、 離れて住む理由が、 お互いの上に存在する不幸だとしたら。
近付く為に理由が必要な時、 俺は何を想うのだろう。
「もっと近くで支えてあげたい」 「自分も自分の道を歩きたいと思った」
「それを理解し共に手を取ってくれた人」 「側にいて欲しかった」
知り合いの言葉は、 とても前向きな言葉だけれど。
「これを実現させるために」 「『結婚』という『理由』が必要だった。」
「そうじゃなきゃ『結婚』なんてしない。」
知り合いの決意は、 本当に後向きの行為だろうか。
周囲から強いられた形に取り憑かれて、 形が存在すると言う幻想に取り憑かれて、 二人は押し潰されないだろうか。
近くに居たら、 一緒に居たら。
遠く離れた地に住んでいる貴女に、 初めてそう願ってから、 もう二月。
それでも俺は此処を動けない。 そして貴女もきっと動けない。
あの時の電話以来。 あの時のメール以来。
常に言い聞かせている。 常に想い返している。
「近くにいたら温もりを感じる事が出来る。」 「一緒にいたら安心する事が出来る。」 「でも今それが出来ないから」
「小坊主も自分も安心出来るよう頑張らなきゃな!」
例え返事を出来なくても、 例え返事を打てなくても、 貴女の言葉が俺の力。
離れてるから想える事が、 離れてるから持てる力が、 其処にあるじゃない。
二人も感じて来た気持ちだろうから。
真の気持ちを、 底の気持ちを、 忘れずに春を迎えて欲しい。 |