自身に伴わぬ経験を、 想像で、 埋め合わせる事が。
簡単だなどとは、 想っても居ないけれど。
想像は、 飽く迄想像で。
実体験に勝る刺激では無い。
其れでも。
自身に伴わぬ経験を、 埋め合わせる術は。
想いで強化した、 想像でしか無いから。
必死に、 像を創り上げるのに。
想像の持つ、 柔軟性や拡がりは。
飽く迄、 経験で拡張されるのだ。
嫁と、 姑の、 小競り合いが。
画面に、 映し出され。
「当然じゃない?」
俺が、 姑の怒りは尤もだと、 口にした直後。
姫は、 感情を高ぶらせて、 吠えた。
「旦那の実家で子供を産んでるのよ!!」 「これ以上どこで譲歩するのよ!!」
姫が。
脳裏に浮かべ、 想いの丈を迸らせる、 其の絵は。
姫にとって。
奥底に刻み込まれた、 想い返したく無い場所で。
俺には、 触れる事も出来ぬ所。
違うか。
元旦那との場所は、 飽く迄、 想像の枠の外に置きたいと。
想像を、 身体が拒絶してるのか。 |