必ず、 明確な意志を持って。
香辛料は、 作品の内に隠され、 或いは、 放り込まれる物で。
其の香辛料の、 投げ手と、 受け手は。
飽く迄、 入れ替わる事は無いけれど。
想いの香辛料は。
逆に、 贈り主に向けて。
受け手が、 放つ事も出来るのだ。
贈り主の意志を。
其処に、 介在させずに。
恐らくは。
平然と構える俺に、 何らかの動揺を与えようと、 必死なのだろう。
けれども。
策に溺れ、 仕掛けに夢中の姫は、 気付かない。
其の必死さが、 想いの香辛料に掏り替わり。
栄養分として、 俺に吸われて居る事に。
「小坊主より小振りなんだよ?」
「大人の玩具の事?」
「私の息子とも比べる?」
「よしなさいって・・・」
帰宅直後の、 姫の、 得意そうな笑顔と瞳に。
吹き出しそうに成り、 必死に堪えた。
聖夜の、 本当の贈り物は。
何かな?
---------- References Dec.25 2004, 「魅せぬ秘密は何処に在りますか」
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本年も「雲間の朝日に想うこと」をご愛顧いただきまして、 ありがとうございました。 今年の更新はこれを最後にさせていただきます。 また来年のお楽しみに。 みなさま、良いお年をお迎え下さい。
小坊主 |