重ねれば重ねる程、 想いは、 一層深みを増す物だとしても。
深み在る想いの、 表現に。
言葉や、 行為の、 幾層もの重ね逢わせが要らぬのは。
何故だろうか。
数多の好きが、 決して、 相手に響かぬ一方で。
僅かな視線や、 些細な表情が、 相手の芯を捕らえて離さぬ時に。
想いの要として、 其処に在る筈の流れが。
二人の想いでは無く。
時間と言う次元で、 独占的に、 支配されて居るだけの様な気がするのだ。
昼の定時便が。
普段の長文では無く、 僅か数文字で在った事が。
殊更、 意識の深さを表現して居る事に、 瞬時に気付き。
いよいよ、 お互いが完全に対等な場所へ、 足を踏み入れた事に。
想わず襟を正す。
「明日から。」 「私、結婚出来るのよー♪」
黙って居られぬ、 其の姿に、 姫らしさを感じ。
想わず笑みを浮かべながら。
本当は。
「おめでとう。」 「日付変わったら、ワインで乾杯する?」
先を越され、 贈り物を贈る機会を奪われた事に。
悔しさを隠せない。
---------- References Oct.06 2004, 「日捲りを始めて居るのでしょうか」 |