起き抜けに、 身体を寄せ逢わせ、 互いを、 密着させる。
決して、 一寸の隙間も創らぬ様に。
毎朝の、 隣に在る温かみを感知し。
感謝の意を込めつつ、 想いを、 豊かに出来るのなら。
幸せな事に違いないけれど。
抱き逢う理由は。
決して、 想いを確かめる為では無いのだ。
事は、 急を要するから。
一瞬の遅れは、 或いは、 僅かな緩みは。
直に、 自身への痛みとして、 反映されるから。
自身の身を、 或いは相手の身を、 護る為に。
素早く抱き寄せ。
掛布団を、 頭から掛け直す。
何人たりとも、 二人に触れられぬ様に。
決して、 這い込む隙を創らぬ様に。
携帯から奏でられる、 目覚ましの音と。
殆ど同時に。
「来た?!」
「来るね・・・」
「走って来た!」
「飛んだ!!」
「ゴロゴロゴロ・・・」
奴は、 猫撫で声で甘えながら、 迫り来る。
俺と、 姫の身へ、 其の爪を突き刺しに。
---------- References Sep.02 2004, 「敵か味方か何方でしょうか」 Mar.23 2004, 「寝坊の理由は誰のせいでしょうか」 |