舞い上がって、 事の本質を見誤った故に。
其の戒めとして、 二人の間に、 擦れ違いの種が播かれたのだろうか。
其処に在るのは、 互いへの想いに他ならないのに。
責務を果たさぬ故に、 招く問題で。
抑も俺が、 其の責務を果たせば良い事。
対価の多寡や、 経済的な収支は。
決して、 根本的な問題では無いのだ。
其れ故に。
好意を受け取るか、 否か、 其の選択以前に。
問題の解決が、 先決なのかも知れぬと。
其処に、 迷いを挟んだのだ。
けれども。
「二食分なら大丈夫だもの。」 「要らないわよ。」
姫は、 頑なな其の意志を。
決して、 変える事は無く。
「三食用意するのはきついから。」 「だから一食分を貰おうと思ったの。」
「何で迷うの?」 「高いから払うの嫌なんでしょ!」
経済的な物差しを、 基準に据え。
人の想い迄、 天秤に掛けるのか。
姫と、 姫の息子の為の、 箱に詰められた昼食を見つめ。
涎を垂らす俺の為に。
「一日五百円で。」 「作ってあげても良いよ♪」
時間と、 手間を、 割いても良いと。
今迄、 拒否して来た其の行為を、 初めて許容した事は。
値段で、 推し量る物では無かったのに。
何故に喧嘩になるの?
---------- References Jul.27 2003, 「対等の土俵に登れますか」 |