僅かに、 確実に、 掛け続けられる其の圧力は。
二人の間の緊張感を、 維持する為に。
必要不可欠な物かも知れないけれど。
視線を俺に向け続けた、 其の意図は。
何処に在ったのだろう。
其処に、 本音など微塵も無い事は。
お互いに、 理解して居るけれど。
其処に、 一抹の不安が存在する事も。
お互いに、 認識して居るに違いない。
彼の時口にした、 姫の戻りたいと言う言葉は。
未だに、 膨らみ続けて居るのだろうか。
姫が初めて口にした、 遊びでしか付き合えないと言う言葉は。
今も時々、 想いに表出して居るのだろうか。
姫の口から、 離別の言葉が産まれる刻を。
俺が虎視眈々と狙って居る様に、 見えるのだろうか。
只の、 歌合戦の内の一曲。
此れ見よがしに、 此方へ視線を向ける姫へ。
「良いから歌詞見ろよ!」
俺は笑いながら、 淡い抗議をしたけれど。
「できない相談ね。」
姫は笑いながら。
何故か、 少し翳った顔をする。
---------- Background 中森明菜 " 禁区 "
---------- References May.13 2004, 「本音は何処に在るのでしょうか」 Mar.31 2004, 「信に値しないのは何れでしょうか」 Jan.26 2004, 「窺って居た好機なのでしょうか」 |