其の言葉が、 何処を指し示して居るのか。
瞬時に、 理解出来たのは。
相手を今も縛り付ける、 其の出来事を。
自身の意識下にも、 強烈に、 焼き付けて在るからに違いない。
そして。
転嫁したと主張する、 責任の在処は。
決して、 転嫁された物では無く。
間違いなく、 自らに在ると、 そう想うからに他ならない。
けれども。
自身が創った、 相手の心の疵痕は。
自身が何れ程努力しても、 埋まらぬ物で。
相手が望んで、 自ら埋めねば。
決して埋まらぬ物なのだ。
例え、 其の解答は誤りだと、 想って居ても。
決して、 行為に行為を返す事など、 負の想いしか産まなくても。
「だからさ。」 「目には目を、歯には歯を。」 「倍返しだよね!」
「うん、そうね・・・。」
其の迫力に、 想わず肯いて終う。
或る、 歌い手の催しから帰宅した、 其の直後から。
「あのね。」
「ん?」
「トラウマだって言うことは。」 「人のせいにしてるって事なんだよ。」
姫が、 事ある毎に口にする、 其の言葉は。
苦悩や、 不安の混沌から。
今も抜け出せぬ、 姫の想いを。
余りに正確に、 そして綺麗に、 描き出して居るから。
---------- References Aug.16 2004, 「幸福が幸福を奪うのですか」 Aug.11 2004, 「其の盾を刺せる矛は無いのですか」 |