其の温感は。
選択された方が、 確かに、 高かったのかも知れない。
方や、 其の寸前迄、 外気に曝されており。
方や、 其の瞬間も、 温もりの脇に在ったのだから。
けれども。
現実に、 目の前で起こった、 振る舞いを。
笑って聞き流す程、 余裕は無いのだ。
内に秘める、 温感は。
決して、 負けない筈なのに。
姫は、 近付く俺に、 張り手を喰らわせ。
隣の雄へ、 手を伸ばした。
横に座り、 目を光らせて居る、 其の存在は。
其の位置を、 俺へ譲ろうともしない。
まるで、 番犬を装う様に。
猫の癖に。
---------- References Sep.02 2004, 「敵か味方か何方でしょうか」 Aug.23 2004, 「怒られるのは傷付いた方でしょうか」 |