雲間の朝日に想うこと


< 聖域だと想ってはいけませんか >


其の場所は、
唯一の場所だから。



抱き合いながら。


掛け値無しの、
飾り気の無い、
想いと、
本音だけを。


お互いが、
素直に、
ぶつけて来た場所は。



此の、
風呂の中だけだから。








其れが鋭く、
互いを傷付けたとしても。


其処で産まれる、
言葉の数々に対峙して。

白刃を、
素手で受け止めるのだ。














 「姫らしく過ごせるって?」

 「いつも笑って過ごせること。」

 「笑えなくなって来たって事?」

 「ううん、二年前と比べたら一杯笑える。」


昨晩の姫が、
そう口にして。



 「信じられないんだ。」
 「小坊主のこと。」
 「だから離れる?」


今夜の姫が、
確かにそう言ったとしても。






此の場所で産まれた、
言葉なら。


何れも、
真に値する想いで。



 「俺は姫が好きだから。」
 「想いが届かないのは俺のせいで。」
 「伝わる迄贈り続けるよ。」
 「間に合わなくて姫に愛想尽かされたら。」
 「しょうがないけれど。」



奥底に在る想いを、
贈り切れぬ、
俺自身が。

精進して、
想いを伝え続ける事が、
出来るのだ。














だから。

此の、
唯一の場所で。



 「じゃぁ、愛想尽かす?」

 「マジで言ってるの?」

 「ううん。」



そう言う冗談を言うのだけは、
止めてくれ。


2004年08月24日(火)


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History
2003年08月24日(日) 過去を映しながら観ていましたか
2002年08月24日(土) 俺の声で落ち着けましたか





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