< 俺の声で落ち着けましたか >
俺に宛てた手紙を、 間違って親友に送ってしまった貴女。
「もうすぐ彼氏が来るので今度聞かせて」
親友の言葉に、 動揺と後悔を隠せない貴女。
思わず貴女の声が欲しくなった。 浮き足だった貴女を、 ゆっくり包んで落ち着かせたかった。
携帯をそっと手に取った。 貴女はぎゅっと携帯を握っていた。
「間違えちゃった!」 「ジタバタしても始まらないでしょ。」
「ヤバイよ〜!」 「どうして?」
順を追ってちゃんと話せば、 何も怖がる事は無い。
確かに彼女は俺と貴女の事を知らないけれど、 俺と貴女の事は、 もう隠さなくて良いんだから。
相変わらず抜けているけれど、 相変わらずドジだけど、 もう大丈夫。
お天道様に見てもらえる、 そんな関係になったんだから。
晴れ渡った日なのに、 薄暗い部屋で過ごす必要も無くなったんだから。 |
2002年08月24日(土)
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