相手を、 年齢差の在る相手だと、 感じた事が。
例え、 一度も無かったとしても。
相手が、 自身への年齢差を慮り。
自身には決して棲まぬ、 苦悩や不安を、 抱えるかも知れないと。
毎日、 推測しながら過ごすならば。
内に宿る想いには、 然程、 違いが無いのだろうか。
自分は意識しなくとも、 相手が意識して、 苦しむかも知れないと。
其の年齢差が、 強制的に生じさせるであろう、 想いを。
消せぬのだから。
お互いに。
年の差を、 意識した事は無い。
其れは飽く迄、 只の演技で。
実際は。
お互いの不安を覆い隠す為の、 方便かも知れないのだ。
初めて会った、 姫自慢の友人に。
自身より、 世の中を深く見続けて居る、 友人に。
誰からも、 口にされた事の無い言葉を、 投げられて。
動揺し、 狼狽する自身を感じた。
あっさり、 見抜かれたんだ。
常に、 戦々恐々として居る、 雄なのだと。
「姉弟って言われない?」
一番自然で。
けれども、 一番危惧して居た言葉かもしれない。 |