< 信頼を失う時でしょうか >
会話に違和感を感じ続けながら、 貴女の中に一欠片も無いであろう想いを、 如何にして浮上させれば良いのか。
何度も試行錯誤した。
例えどんなに努力しようとも、 貴女を満足し得る言葉など、 何処にも存在しないと理解しているのに。
事実を伝えた時。
「やっぱり無理だ。」
そう貴女に伝えた時。
噛み合わぬ会話に、 噛み合わぬ想いに、 先に気付いたのは。
話を振った俺の方だった。
貴女の脳裏に浮かんだ無理の対象と、 俺の脳裏に在った無理の対象は、 似て非なる物。
貴女はただ、 貴女の友人や俺の友人との会食の機会が消えただけで、 俺が貴女の目の前に現れる可能性が消えた事など、 眼中には無いのだ。
「忙しいけれど。」 「何とかするから。」
其の言葉を、 俺の言葉を、 盲目的に信じているから。
貴女の無邪気な笑顔が、 瞬時に曇って行く姿を打ち消せず。
そして同時に。
想いを実現し続ける事で築いて来た信頼感を、 失う瞬間を自覚して。
「違うんだ。」 「行くのも無理なんだ。」
この言葉を搾り出すのに、 震えが止まってくれないんだ。 |
2003年08月01日(金)
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