例え、 如何に自由に振る舞う事が、 許されていようとも。
例え、 如何に自由な想いで、 振る舞う事が出来たとしても。
長い間、 自身の肩に存在し続けた、 重荷は。
足枷には違いない。
如何なる時も、 枷は傍に在り続け。
蓄積した心の凝りに、 蝕まれ。
本来感じる必要の無い、 負い目として。
其れは、 姫自身の中に在り続けたんだ。
其れ故に。
初めて、 蟠り無く想いを突き付ける事が出来た、 此の一晩は。
大きな亀裂を生じ、 確かな傷跡を残した筈なのに。
姫にとっては。
開放感や、 清涼感を伴う、 一晩であったのだろう。
「あのね。」
「ん?」
「初めて。」 「小坊主の彼女になれた、気がするの。」
「そっか。」
其の、 姫の笑顔を。
俺は、 初めて見た気がするよ。
---------- References Jul.27 2003, 「対等の土俵に登れますか」 |