雲間の朝日に想うこと


< 聞き上手でしたか >


良い日和の中、
散歩がてらの近況報告も悪くない。

そんな腹積もりは、
瞬時に何処かへ飛び去って、
跡形も無くなった。




 「じゃぁ、そっちに行ったら。」
 「ちゃんと抱いてよね。」


僅か二月前に、
冗談混じりで届いた筈の文が。

既に役立たぬ情報しか持たぬ事を、
悟ると共に。




 「彼の許可が出たから。」


さっき届いた此の、
彼女の一言は。

消極的な目的を、
積極的な目的へと変貌させるに、
十分だった。









離別の理由と、
其の決定打。

息子との関係と、
其の相性。

生ずる苦悩と、
其の解決法。


年齢も、
家族構成も、
姫に酷似した彼女だから。



聞かねばならぬ、
機会を逃せぬ、
理由が在る。











けれども。

其の想いは、
問う立場と同時に、
答える立場も要求するのか。











缶麦酒片手に、
眼前の桜をぼんやりと観ながら。

花見の彼女の問いに、
一つ一つ、
解答を探して答え。




少し危険な匂いを身に纏う雄に、
惹かれ始めた友人の。


 「今度会うときもしか泣いてたら。」
 「なぐさめろよ。」


不安の欠片に。


 「今度会ったときにも。」
 「幸せな笑顔見せてね。」


精一杯の応援を、
贈りながら。






少し後悔した。












満開近くの桜の姿は、
あくまで携帯の中の夢物語で。



気が付けば。

桜の姿も、
俺の欲した解答も、
何の記憶も残って居ないんだよ。


2004年03月28日(日)


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2001年03月28日(水) 離れても想いがありますか





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