一時期の不信感を、 徐々に徐々に払拭しつつ在るから。
二人で最初から造り直して来た信頼感が、 段々と段々と、 大きく稔りつつ在るから。
親友である貴女と、 其の彼である俺に対して、 優しい言葉が増えて来たあの人。
「花火に連れて行ってもらうの。」
貴女の明るい言葉。
もしかしたら、 小さな彼を楽しませる為の、 あの人の小さな心遣いかも知れないけれど。
貴女自身の為にも、 かなり大きな心遣いなのだ。
其れ故に、 貴女の涙腺は緩んだのだろうけれど。
其の反動故に、 反射的に俺を求めたのだろうけれど。
あの人の心遣いを、 貴女は素直に受け取って、 目一杯楽しむ義務を負うに違いないんだから。
「楽しんでおいでよ。」
俺の言葉には、 そんな想いを込めました。
花火の最中、 楽しさでは無く切なさを感じてしまった貴女に。
一つだけ伝えよう。
「来年は一緒に見よう。」
俺の住む街の、 花火大会なんだよ。
貴女と初めて出逢った記念日は。
---------- References Dec.13 2002, 「接する距離は教われませんか」 Oct.07 2002, 「暗い道を照らしてくれませんか」 Sep.16 2002, 「何の為の嘘だったのですか」 Aug.05 2002, 「今日は何の日ですか」 |