< まだ秘密の存在ですか >
予想だにしていなかった貴女の言葉に、 言い様の無い虚脱感を感じた。 俺の全身が機能を停止した音が聞こえた。
「友達に送ったメールの小坊主は、現実の小坊主?」 「架空の小坊主?」 「どっちが良いの?」
俺が少しずつ進めて来た道は、 貴女と一緒に進んで来た道は、 本当はただの自己欺瞞で、 結局俺が一人で突っ走っただけの道。
俺の言葉は貴女に届いていない。 俺の想いも貴女に伝わってない。 俺の覚悟も貴女は感じていない。
「お互い先を考えて・・・」 「子供にも会わせて・・・」
そんな事まで話し合った相手も、 仲間内には話せない相手。 隠しておきたい相手。
だったら、 好きなだけ言い訳を重ねれば良い。
重なった嘘が絡みに絡まって身動き出来なくなった時は、 俺を架空の世界に閉じ込める。
そうすれば貴女は平気なんだから。 |
2002年08月25日(日)
---------- History
|