窓の外を、見上げながら、私はずっと考えていた。
大澤君と私は、
これからもずっと恋人同志でいられるのだろうかとか、
いやいやいやホントは、恋人同志とはまだ言えないんじゃないのだろうかとか、
悩み苦しみ悶え狂っていたのだ。
すると、理沙からこんなメールが来たのです。
理沙 「部活のお別れ会行く?」
あみ 「一応行くよ。理沙は?」
理沙 「どーしようか迷ってるの、だって何が出ると思う?」
あみ 「知らない、なに?」
理沙 「後輩が作った、うどんだよ。」
マジ!?
うどんって、スーパーで普通に売っているヤツじゃなくて、
粉から作るうどんの事ですか?
汗とか、手汁とかもっと得体の知れない汁たちも一緒に
いろんな物が、混ざり合っちゃってる うどんの事ですか?
そー考えると、参加したくない心で胸がいっぱいだよ。
もう中学を卒業した事だし、
今更、また中学の制服を着て中学校へ のこのこ行くのも
みっともない話じゃないのよ。
あみ 「だんだん、行きたくなくなって来たよ。」
理沙 「それに、ただじゃなくて会費を払うらしいよ。」
あみ 「いくら?」
理沙 「500円だって。」
うどんごときに500円も払うなんてまっぴらだよ。
500円は、立派なお金なんだよ。
500円で何が買えるのか、教えて差し上げたいよ。
つーか、自分で考えなよ。
500円って言うのはね、100円玉が5個集まってるんだよ。
って事はだね、100円玉が1個無いだけで500円じゃなくなるんだよ。
1個多くなると、それはもう600円になっちゃう訳よ。
だから、気が抜けないお金って事。
緊張感をもってないと、とんでもない事になっちゃうって事。
ある日、
千円の物が、50% OFF なんて書いてあるのを見た日にゃ〜
どーする?
もう徹底的に舞い上がっちゃって、くだらない物を買っちゃう訳よ。
そのくらい500円は、凄いお金なのよ。
うどんなんかと、比べ物になりません。
月とすっぽんだもの。
だから私は、行きません。
当たり前じゃないですか。
誰が行くと言うんですか?
あみ 「私、行くの止めた。」
理沙 「私はまだ迷ってるよ。」
あみ 「何で?」
理沙 「噂では、速水もこみちのそっくりさんが 来るんだってよ。」
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