一生懸命 空を見ながら 歩いていると、
まぁ可もなく不可もなくそれなりに時は過ぎていた。
何気に前を見ると、恐ろしいほど気合の入った センスの無い服を着た女が
歩いてるじゃないですか。
あれ、亀子じゃねぇ?あれ、亀子じゃねぇ?あれ、亀子じゃねぇ?あれ、亀子じゃねぇ?が
こだまして止まらない。
今年一番、止まらない。
あの後ろ姿は、まさしく亀子。 (キッパリ。)
亀子に気が付かれないように、そーっと隠れちゃおっと。
亀子 「あっ!あみ先輩!?みっけ!!」
もう、見つかっちゃったの?
亀子のくせに、目がいいじゃないのよ。
だけど、私が避けてる事、何で気が付かないんだろ?
まぁ〜ここはいつも通りごくさりげなく。
「亀子、久しぶりだね 元気だった? じゃ、またね。」
そして、亀子が何と答えようと関係なく。
「あっはっはっはぁ〜〜 そーなんだぁ じゃ頑張って!!」
これちょっと、良くねぇ?
うん、超・さりげない。
超・さりげないのにも程がある。
亀子 「あみ先輩!?待ってたんですよぉ〜。」
あみ 「亀子、久しぶりだね 元気だった? じゃ、またね。」
亀子 「あみ先輩、大変ですよ。そこの木の下掘ったら、一万円が出てきたんですよ。」
あみ 「あっはっはっはぁ〜〜 そーなんだぁ じゃ頑張って!!」
亀子 「あみ先輩、頭大丈夫ですか?一万円ですよ一万円。 私、一万円を見つけたんですよ。」
あみ 「あっはっはっはぁ〜〜 そーなんだぁ じゃ頑張って!!」
亀子 「何で無視するんですか?ホントに一万円拾ったんですよ。」
あみ 「じゃ、警察に届けなさいよ。 じゃ。」
亀子 「あみ先輩じゃない、あみ先輩の姿をしてるけど私が知っているあみ先輩なんかじゃな い。」
あみ 「そーそー、亀子が知っているあみ先輩は、死にました。」
亀子 「何でですか?私と遊んでくださいよ、この一万円で遊んでくださいよ。」
あみ 「この一万円 亀子のでしょ?」
亀子 「何で知ってるんですか?」
やっぱり。
木の下を掘ったら、一万円が出てきたなんて 今の時代にあり得ませんよ。
絶対、あり得ませんよ。
そんな事、犬だって知ってますよ。
私だって馬鹿じゃないんですよ。
そのくらいお見通しだっつーの。
あみ 「何でそんな嘘付くの?」
亀子 「あみ先輩と、遊びたかったから。」 ショボ。
だったら、そー言えばいいぢゃん。
正直に、そー言えばいいぢゃん。
絶対に遊ばないけど。
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