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日々闇雲日記。

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2005年02月08日(火)
スモーキンクリーン

 突然ですが、Mは煙草を吸います。
 世は嫌煙ムード真っ盛りで、煙草吸う人はひじょーに肩身が狭いそんな時に、

「るせー、余計なお世話じゃあ!!肺ガンごとき恐れるようで、ダイオキシン入りの魚が食えるか!!添加物入りのおにぎりが食えるか!!化学肥料で育った野菜が食えるか!!」

 とか言ったりしてみたら、嫌煙家の総すかんくうのかなと思ってみたりする。
 いや、煙草は健康と美容に悪いとか、煙いとかヤニ臭いとかまあ色々言い分があるのはわかるし、確かに吸わない側にあの煙は苦痛なんだろうし、館内分煙や全館禁煙というのも否定はしないんですが(私はちゃんと喫煙所か館外で吸ってるよ)。
「煙草が体に悪い!」
 なんつーのは、実は遅くても江戸時代初期、慶長年間から言われて禁令まで出されていた事だし(禁令が出るということは、吸う奴がなくならなかったという事である)、嫌煙家が煙草を吸わない自由があるように、吸う側には吸う自由があると言いますか。
 が、一部のあからさまな『自称嫌煙家』の態度を見ると、ルールを守っている限り、何でそこまで気を遣わなければならんのかっつう事が、度々ありまして。
 前に所用で東京に行ったときも、喫茶店でわざわざ灰皿のある席(喫煙席)に座って煙草吸っていたら、隣の席に座っていた上品そうなおばさまとお嬢様に、いきなりこれ見よがしに席外されまして。
 もっともその親子は、

「キャー、横の変な女から副流煙が飛んでくるわ!!」
「ヤニ臭い死のガスが飛んでくるわ!!」
「アウシュヴィッツの地下室のようよ!吸ったら肺がヤニ色になるわ!」
「朝からセットした巻き髪にニオイがつくわ!!」

 ぐらいは思ったんでしょーが、そのわかりやすすぎる拒絶反応を見せつけられては、最近ちょっとカドが取れたと噂の管理人でも、

 正直ムカつきました。はい。

 前の部署でも、会社の偉いさんに「嫌煙者には煙くて仕方がないから喫煙所作れ」というメールを打って、社内の一角に喫煙スペースを作らせた女の子がいるんですが、そのスペースというのが夏は西日直撃、冬は隙間風吹き荒れる極寒の一角でして、しかも、

「私達は煙草吸わない人が吸っている間も働いているのに、煙草休憩はおかしい」

 との事で、会社はチクられる言われるがままに、素直に喫煙時間帯と「喫煙は5分まで」と時間まで決めてしまったという。
 かくて、片隅に壁立てられて急遽出来上がった、ヒト一人通れるぐらいのせまーい喫煙スペースでは、

「くそったれ、上長にメール打ったの誰やねん!」
 
 と、おっさんはもとより、おねーさんおばはん(関西は喫煙する女性が多い)らが吐く総すかんが、充満する紫煙の中をにえにえと渦巻いておりました。
 ・・・・・・・・・まあ、普通、パソコン導入してる以上は、どこの会社でも、いまどきフロアは禁煙だし、煙草休憩で問題なのも「煙草を吸うと、つい緊張のタガが緩んでそこで話し込んでしまうから」であって、実際、脳へのニコチン供給という目的だけならば、5分もあれば楽勝で職場に帰ってこられるわけですが。
 しかし正直なところを言ってみれば、

「5分も惜しいと他人に急かせるほど忙しい割に、周囲のアラを探す暇は結構あるらしいな」

 て、毒吐いてみたい感じでして、さらに言えば、

「煙草吸わないお前らが仕事中に5分間ぺちゃくちゃ喋っとる間、喫煙者は働いてその分を取り返しとるのかもしれんぞ?」
「それが仕事の合間の息抜きと言うのなら、煙草休憩とどう違うんや?」

 という反論も成り立つわけで(怖いからしないけどね)、そういうヒトの頭の中ってどうも、「煙草吸う人=加害者」「吸わない人(私)=被害者」という考えが頭にある気がしてしょーがないんですが、それは私の心がひねくれているからか?
 確かに、吸ってはいけないところで吸うのは、マナー違反だから嫌な顔をされても仕方がないが、別に禁じられてもいない場所、または吸ってもいい場所でも、

「嫌煙者(ワタシ)がいるのに煙草を吸うなんてマナーがない」
「周囲(ワタシ)に対して配慮がない」
「ワタシ達は煙草吸わないから、ワタシ達の主張は絶対に悪くない。悪いのはいつも、ニコチン入りの煙を撒き散らす喫煙者の方」

 とも言いたげな彼女らの態度を、針で編んだベールの如く感じるごとに、

「そのルールは、単に『お前ルール』ちゃうんけ?」

 ・・・・・・・・・とか、言ってみちゃったりしたら、やっぱこのサイト、反感買う?
 ・・・・・・・・・実は1回書き直しているのだが、やはり棘が抜けないこの話。

 や、何が言いたかったかというと、嫌煙者はタブーでないところでは、もうちょっと喫煙者を温かい目で見てくれよという話で、吸う方は吸うなら最低限マナーを守ろうやという、ひじょーに無難な話だったんですけどもね。
 もともと煙草なんつーものは嗜好品だし、たぶんなくならないと思うから、お互い妥協点を見つけといた方が、ギスギスせんのではないかと思うわけでして。

 で、今日より始まった『鬼平犯科帳』。
(そういえば、この番組で鬼平を演じる吉右衛門が、時々銀煙管をつけるシーンも格好いいね)
 『剣客商売』と『藤枝梅安』を入れた池波正太郎短編3大シリーズで、お恥ずかしいことに原作全巻読んでいないのこれだけでして、いつか読破をと目論むけれどもその前に『大菩薩峠』な管理人です。
 などと言いながら、池波正太郎御大の「い」の字も知らなかった中学生か高校生の頃、テレビ欄で『新番組・鬼平犯科帳』の文字を見たとき、

「きだいらはんかちょう」

 と素で読んだっつー結構恥ずかしい過去を持っているんであるが。
 見たのが中盤からで話が全然わからなかったのであるが、
「さすがに、キャスト全員老けたなあ」
 と否応なく思わされた中で、主役の中村吉右衛門だけは相変わらずお肌つやつやで全然老けちゃいなかったのが、なんか凄い気がしました。

 あと、この番組でやはりMが好きなのは、エンディング。
 ジプシーキングスの「インスピレイション」のメロディに乗って流れる、江戸の四季を活写した映像の組み合わせは、もう初回から10年以上経つんだろうが、それを思いついたセンスってやっぱ凄いわ。