永遠の1/2
まりあ



 【私の闇1】なまえ

彼が自分の話をするようになった頃
私も自分の事を、あれこれ話すようになりました。


私が、現実逃避をしてる原因。。



それは夫との不仲ではありません。
夫の両親の存在でした。
同居ではないけど、細かい部分まで従わせようとするやり方に
私は半ばノイローゼでした。


夫の母親と、私の名前は、漢字こそ違うけれど、同じ名前なのです。
(奇しくも旧姓の苗字も同じなのですが・・・・。)

夫の両親は、私に会う前に、まず、その名前で反対をしました。
私の両親は、
「そんなくだらない事をいう家に嫁いで大丈夫なのか?」
という事が心配でした。

何とか結婚して、ふたを開けてみたら・・・。
まともに名前を呼ぶ事は許されませんでした。
それは、身内でも、近所でも。

結婚式が終わって数日たって、近所の家を挨拶に回った時に
「名前は言わないように」と釘をさす姑。
かといって、姑は「嫁です」としか紹介しません。

私は自らの口で、違う名前を名乗れ、という事でした。
自分の手は汚さずに、何が相手を嫌な気持ちにさせるのか。
よく知っている嫌な人間の代表者のような夫の両親。


その後も、私を思い通りに動かすために細かい指示は続きます。
私は「嫁」という名の奴隷になった気分です。
夫がいる前では、優しい物腰で話す姑を、
人をきつい口調で押さえつける舅を

私は、激しく嫌いながら、抗えずにいました。
夫はひたすら、我慢するように言います。
我慢さえすれば、みんなが丸く収まるのだから。



そんな事を彼に話しました。
彼は、それに対して、静かに、ふむふむと聞いていて
だけど、消して同情はしない、可哀想だな、とは言わないよ。
といいながらこんな話しをしてくれました。


かつて、黒人の人たちは、アフリカの故郷から無理やりあちらこちらに
奴隷として連れて行かれ、長い長い間、虐げられた歴史を過ごしました。
だけど、その中で・・・。
生きることの喜びや、感動を忘れるまい!として

生まれたのが、ゴスペルで、ブルースで。

何か心にひとつだけあれば。
消えない太陽みたいなものが、たった一つあれば。
人は人として生きていけるんだよ。


誰かが聞いたら、まりあのつらさはちっぽけかもしれない。
だけど、だからといって、まりあがつらいのが嘘だというわけじゃない。
つらさとつらさと比べて、どっちが大きいとか大きくないとか
比べるからおかしくなる。

まりあが考えて出した答えのすべて
俺はいつでも認めるよ。
世の中すべてが敵になっても
俺が味方だよ。


彼は、私を救い出す魔法を知っていました。
あらゆる面で・・・・・・




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昨日携帯から何通かメールを出してみました。

夕闇の頃、空を見たら満月が綺麗でした。
だから、「今日は満月みたいだね」とたった一行。

それに返事をくれました。
もう9時過ぎのことです。

今終わった〜。
飯どうしよう・・・・・。
そういえば月が綺麗だね


同じ会社どうしの携帯なのに、絵文字は一個もなくて、顔文字が見事に並んでいて・・・。
充分、彼には私以外にこんなメールをやりとりする存在がいるんだ。
と思い知ります。

でも、それでいいんです。
そうじゃなきゃ、彼が、寂しすぎます。

「こんど簡単なレシピでも教えようか?なんなら、作って送ろうか?w」
と言った内容をしばらくして送信しました。

子供たちも寝静まった頃、
「もう寝たかな?電話しちゃダメかな」と送ってみたけれど・・・・
そのまま携帯はなりませんでした。

そして今日はそのまま私もメールせずにいます。
彼が踏み込まれたくない、と思っている領域がどこまでなのか。
踏み込んだ途端に、また、いなくなるかもしれない。
だから、彼を心から心配する親友、友達として。

文字だけのやり取りならば、それも出来るはずです。






朝、子供の用事で夫が起きてから会社に行くまでの時間、家を空けてました。
帰宅してみたら、私用のコップにコーヒーの用意をしてくれていました。
後はお湯を注げばいいだけに・・・・。

夫はとても親思い。
だからこそ、家族思い。
けっして悪い人じゃないし、尊敬も出来るし、傷つけたりはしたくありません。


やっぱり連絡取るべきじゃなかったんだ。
そう思いながらコーヒーにお湯を注ぎました。

友達ならば、失うことはない、と思っていたのに。
失う事を知りました。

失っていいのか、失うべきなのか。
出来る事はシンプルなはず。
真心をこめて、ベストを尽くす。
大事な存在たちに対して・・・・・・

2005年02月24日(木)
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