無責任賛歌
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| 2002年08月08日(木) |
モラリストは読まないように(^_^;)/『軽井沢シンドロームSPROUT』1巻(たがみよしひさ)ほか |
朝のニュースで、『少年ジャンプ』に『世紀末リーダー伝 たけし!』を連載中の漫画家、島袋光年が女子高生を買春した容疑で逮捕されたとか。 一応、まだ容疑の段階ではあるけれども、本人は正直に罪を認めたんだと。認めたからって罪が軽くなるわけではないが。知り合ったのは出会い系サイトという、なんだかもうお定まりのパターンだけれど、っつーことは、女子高生の方もモトモトその気だったってことだな。男の方が罪に問われて、女の方は未成年ってこともあってか被害者扱いってのはなんか不公平な気もするが、このヘン突き詰めて語ると怖いおねえさんが絡んでくるので止しとこう(^o^)。未成年と美女の犯罪には寛大な国だからね、ここは。 『たけし』は読んでなかったので、あまりショックは受けなかったのだけれど、これは当然連載中止、単行本の出版も同様だろう。それどころか、島袋氏の漫画家復帰自体ありえなくなる可能性が大だ。 作家や芸能人だと、人を殺しても刑期を終えてカムバック、という例がないではないが(箔が付くって見方すらある)、マンガ家だと同じ扱いは難しかろうからなあ。いや、私がマンガ家に偏見持ってるってんじゃなくて、過去の例から想定してるんだけどね。賭博や銃刀法違反なら、「禊」もありえようが、買春だとどうだろう。復活するとしても「実録漫画」の道しかありえないのではないか。 少なくとも『ジャンプ』が拾ってあげないことは確実のように思う。ほかの少年誌もほぼムリだろう。サブカルチャーと言われてはいるものの、実質上、少年マンガの世界はコチコチの保守なのである。『ガロ』なら拾うか? なんだか随分先の話をしているようだが、本当に島袋氏にマンガ家としての実力があるなら、各出版社は「復帰」を前提としてこの事件を考えねばならないのではないか。道徳がどうの倫理がどうのは関係ない。島袋氏が真実「作家」であると考えるなら、逆に世間の道徳で彼の存在を縛ってはならないはずである。 ……まあ、結局は島袋さんがホントに面白いマンガを描いてるかどうか(今後も描けるかどうか)がポイントになるんだけどもね。
それはそれとして、今『少年ジャンプ』の発行部数って、毎週340万部なんだってね。一時期700万部に迫ってたころを考えると、半分に減ってるんだなあ、やっぱり。あれだけアニメ化攻勢を仕掛けていながら、これが限度なのか。つまんなくなっても、『ワンピース』が終われないわけだ。
今日も昨日に引き続き、小倉に出張。特急で行こうか新幹線で行こうか迷ったが、たいして料金が変わらないことに気づいて、新幹線に乗ることにする。 おかげでゆっくり朝寝ができました。 実は出張とは言っても、寝ていても仕事がこなせてしまう種類のものなのだが(どんな仕事や)、どうも生真面目なタチで積極的に働いてしまう。ムダな仕事はしたくないが、調子に乗ると必要以上に仕事をしちゃうのだが、上司にしてみれば、こういう人間が一番使い勝手が悪いんだろうな。 昼は、昨日と同じAIMでジャージャー麺を食べる。全体、味のわりに値段が高いぞ。
仕事は4時ごろに片付く。 せっかく北九州に来たんだから、と、よしひと嬢と塩浦嬢に、夕食でもご一緒に、と声をかけていたのだが、よしひと嬢の仕事が引けるまでまだ2時間ほどある。観光施設の類はもう閉まっているので、回れるところなんて本屋くらいしかない。 商店街に入るなり、いきなり○○○○○人が○○していたが、全く小倉の治安は昔からちっとも変わってない。 博多はなんだかんだ言って、アブない通りが区分けされてるからなあ。ヘタに入りこまなきゃ危険はないのだが、北九州はどこで誰にどんな目に合わされるかわからないところがあるんだよなあ。 10年以上前、北九州に住んでたころ、小倉駅前でヤクザに絡まれたこともある。女の子連れだったので(妻ではないが怪しい仲でもない)、逃げるに逃げられず、ニコニコ笑って歓談して、みぞおちに一発入れられた程度で赦してもらった。痛くないふりをしたのがよかったのだろう。でもあんな目にはもう二度と会いたくない。
駅前の商店街にヤバイ店がチラホラあるってこと自体、どうかと思うのだが、アニメ絵のキャラクターが看板になってる「メロンブックス」という本屋があったので覗いてみたらエロマンガ屋でした。店の名前で気づけよ、オレ。 冷やかしで帰るのも悪いので、エロでないマンガを探して買い、慌てて外に出る。口直しに福家書店に行く。福岡も小倉も、福家だけはオタク少年のためのメッカである。福岡で探して見つからなかった『軽井沢シンドロームスプラウト』の1巻をめっけた。他にも何冊かマンガや小説を買いこみ、ロッテリアで時間を潰す。
マンガ、竹本泉『ねこめ〜わく3』(宙出版・600円)。 え〜、百合子様がろーにんになりました。新しくオスカ・ヨーリスがやってきて猫の世界の人間は二人になりました。……ってもう『ねこミックス』で読んじゃった話ばっかだから今更感想はないな。 うん、ねこに軍隊はいらないねってことを再度確認。
マンガ、たがみよしひさ『軽井沢シンドロームSPROUT(スプラウト)』1巻(秋田書店/ヤングチャンピオンコミックス・540円)。 兄貴兄貴、薫平の野郎、メッシュ入れてますぜ(^_^;)。 今、昔の『軽シン』読み返すと、もうカッコつけ過ぎててクサイばかりで、ようこんなんにハマッてたもんだなあと自分が情けなくなるのだが、多分、今この『スプラウト』(「芽」の意味だそうな)にハマる若い連中も、20年経って同じ思いをすることだろう。 筋はまあ、なんつーか、もうバカな自己中のガクセイが、でもカッコだけつけてりゃ世間サマが許してくれるっていう内容の勝手なもの。 18歳の相沢薫平くんは、腕っ節が強くてモテモテくんなので、葛西綾愛ちゃんというかわいい彼女がいるのですが、つい吉田芙美恵ちゃんという後輩の女の子とエッチしてしまいました。でも正直な薫平くんはそのことを綾愛ちゃんに告白するのでした。正直に喋ったので、綾愛ちゃんから嫌われずにすみました。よかったですね。 ……あほ? 昔と変わってねーよ。たがみさん(-_-;)。 現実に「おれの運命やいかに?……てか」なんてキザったらしいセリフを口にしてたら、誰ぞにボコにされても文句は言えないと思うけれど、なんだか軽井沢が舞台だと別に構わないような気が昔はしてたんだよなあ。いや幻想幻想。けれどその幻想に乗せられて大学時代、仲間うちで軽井沢で合宿までしたんだよ、私。 「ら・くか」にも行ったよ。「ピクシー」には行かなんだが(^_^;)。 ううう、忘れたい過去って、私にもあったのだな。
で、20年経っても「ら・くか」も「ピクシー」も潰れてねえ。そんでもって、耕平も絵里も全然老けてねえ。なのに薫と純生だけジジババになってやがる。たがみさん、キャラにエコヒイキしてないか? いや、そのヘンはまだいいのだ、ともかくどうしようもなくイタイのが、欄外の書き込み……。うわあ、あれだけ楽しかった書き込みがたかだか20年弱でこんなにイタイものになっちゃうとは……。 ああ、しかし、このままいくと40歳の久美子にも出会わなきゃならんのだろうか。つらい。つらすぎる。
待ち合わせ時間になったので、よしひと嬢に連絡を付けようとするが、携帯の番号が変わってて繋がらない。塩浦嬢の番号も変わっている。繋がらないだけならまだしも、どちらも謎の人に繋がる(^_^;)。 こりゃ、向こうから連絡がなかったら、今日はこのまま帰るしかないか、と心配していたら、ようやくよしひと嬢から連絡あり。小倉駅の改札前で待ち合わせすることにする。 7時ちょうどによしひと嬢到着。塩浦嬢に連絡を取ってもらったら、もうこちらに向かっているとのこと。暑い中、けっこうな時間待ち続けていたので、喉が乾いてたまらない。塩浦嬢が来るまでと、キオスクに飲み物を買いに行く。 改札から少し離れたところにある階段を降りたところの売店でお茶を買って飲む。戻ってきてみると、もう塩浦嬢も来ていた。 「あの、どこへ行ってたんですか?」 「飲み物買いに行ってたんだけど?」 「売店、すぐそこにありますよ?」 見ると、改札のすぐ隣が売店。こりゃ癪だった。でも実際、よく見えてないんだからしゃあないやな。塩浦嬢の案内で、インドカレーの専門店で食事。
塩浦嬢、久しぶりに会うのだが、それほど雰囲気は変わってない。ちょっと期待してたのだが(何をだ)。 知ってる人は知ってるあんなことやこんなことがあって、そんなのが芸のコヤシになってればなあ、と思ってたのだが、中身はともかく、見た目がそうガラリと変わるものでもないか。まあ、ヘンにスレた感じになるよりゃいいってか? 今は北九州の大学に通いつつ、「うずめ劇場」という劇団で、ドイツ人のペーター・ゲスナー氏の指導のもと、女優目指して修業中の身なのだが、ホームページの役者紹介のところに名前はまだない。板の上に立つにはまだまだのようだ。 「ドイツ人が面白いんですよぉ、私のバッグ勝手に開けて、アメ取り出して袋を開けたあとで、『このアメくださ〜イ!』とか言って。もう開け取るやんか!」。 うーん、ドイツ人のギャグって深淵だなあ(^_^;)。 突っ込んでる塩浦嬢のノリは、まるでヨシモトであるが。入る劇団、間違えてないか(^o^)。 大学生活も楽しそうでまずは重畳。 思想的にカブレたやつがいて、「ゴーマニズムがどうの」と騒いでいるとか。ガクセイの分際で政治に関心持ってるやつって、実はアイデンティティを確立できてないのを誤魔化そうとしてるだけってのが多いからなあ。だから言ってることがどんどんわけのわからん方向に向かって、ただわめいてるだけになっちゃうってのも昔からよくある話。シューキョーと変わらん。時代は移ってもバカは相変わらずいるってことかね。 よしひと嬢は「大学に行きたいなあ」としみじみ語るが、年齢制限はないんだから、今からでも働いてお金貯めて、入っちゃえばいいのである。私が大金持ちならパトロンになるのだが(こればっか)、そういう僥倖は滅多にあるものではないので、自分でがんばってね。
三倍だか五倍だかのカレー、美味。よしひと嬢も、「ちゃんとしたカレー食べるの久しぶり」とか言ってたが、私もそうだ。いや、「ちゃんとしたカレー」以前に「ちゃんとした料理」が食べたいよ。 塩浦嬢、以前バイトしていた鰻屋は辞めて、今はCOCO一番屋で働いているそうである。カレー屋で働いてるのに、カレー専門店で食事をしたがるというのはどういう了見だって感じだが、まあ、COCOはねー、具はいろいろあるけどねー、肝心のルーの味がねー、ムニャムニャ。 塩浦嬢、「不味いです」。 おいおい、従業員が自らそれを言うか(^_^;)。でもホントにそうだからしかたがないんだなあ。もう少しコクを出すにゃどうしたらいいか考えてほしいよ。市販のカレーマルシェとかの方がよっぽど美味いんだもの。
ロッテリアに移動して、埒もない駄弁り。 ここでも気がついたら、「『クレヨンしんちゃん』はいいぞ」とか「『パワーパフガールズ』はいいぞ」とか喋りまくる。ほかに話題はないのか。 よしひと嬢が、最近『サイボーグ009』にハマってるとか、塩浦嬢が『ガンダム』を“初めて”見始めた、とか聞くと、全く、世代の格差を実感しないではいられない。 私「こないだのルパン(『ファーストコンタクト』のこと)、つまんなかったな。原典に返ろうとして失敗してるし」 よ「私、クリカンの声がダメです」 私「目黒祐樹よりはマシだけどね」 塩「誰ですか? それ」 私「実写版ルパンだよ。しらない? 次元が田中邦衛で銭形が伊東四朗。『ルバンょぉ〜、オレたちのルパン帝国はどうなっちまうんだよぉ〜』ってな感じで」 すみません。8月7日、午後9時ごろ、小倉駅のロッテリアで田中邦衛の次元のモノマネしてたおかしなやつは私です(-_-;)。
気がついたら10時近くになってたので、辞去。 塩浦嬢、「しげさんに会いたいな」を連発してたが、元気でいればまた会える日もあろう。 特急に飛び乗ったら、なんか特別列車だったらしく別料金を2千円ほど取られた。ううう、イタイ出費だ。
2001年08月08日(水) 代打日記 2000年08月08日(火) ボケ老人の夕べ/『カランコロン漂流記』(水木しげる)ほか
| 2002年08月07日(水) |
コギャルかく語りき/DVD『久里洋二作品集』/『ヒカルの碁』18巻(ほったゆみ・小畑健)ほか |
8/6日の日記の続きから。
映画『パワーパフガールズ ムービー』。 内容については、テレビシリーズでも部分的に紹介されていた「パワーパフガールズ誕生編」を、改めて本格的に描いたのが効を奏している。この映画で初めて『PPG』に触れたって人にも、キャラクターや世界観が分かりやすく、すんなりと入り込めるようになっている。 お定まりの「お砂糖、スパイス、すてきなもの一杯、でもユートニウム博士は間違ってとんでもないものを入れちゃった。それはケミカルX〜」のナレーションが入らないのは残念だけれど、オープニングは、BGMに乗せて、まだただのサルだったころのモジョ・ジョジョと、ここだけいかにもマッドサイエンティストな博士とのメリハリの効いた動きでミュージカルっぽく見せている。いい演出だなァ。 「かわいくてすてきな女の子を作るのが夢だった!」って博士が叫ぶあたりも、随分アブナい。この博士、一見品行方正に見えて、テレビシリーズでも相当アブナい発言を繰り返していて(セドゥーサとはオトナの関係にもなってたしな)、このあたりの描写一つ取ってみても、この作品がファミリー路線じゃないってこと、気づきそうなもんだが、騙されてる日本人多そうだよなあ。 スーパーパワーを持つがゆえにタウンズビルの人たちに嫌われ、それと気づかずモジョの悪巧みに荷担させられていく過程の細かな描写が実にうまい。たとえ真実を知らなかったとは言え、結果的に街を災厄に陥れちゃうわけだから、観客の中にはPPGの3人に対して拒否反応を抱く人もいるかも知れない。けれど、警察に拷問された(と思しい。この辺の描写もハード)博士に「彼女たちは子供なんだ……どうしてそれがわからない」とつぶやかせたり、モジョに連れられて3人が動物園に行った時、バブルスが赤ちゃんの落としたオモチャを拾ってあげたのに、母親から悪態をつかれるシーンを挿入したりと、さりげないけれども、3人に対して同情がわくようにうまく演出している。いいなあ、こういうのを「演出」と言うのだよ。 モジョがケミカルXをPPGに盗み出させて作り出した猿軍団(これが世界のお猿大集合って感じでやたら何十匹も出てくるのが可笑しい)をものともせずに倒し、PPGはようやく街の人たちに迎えられる。結末がそうなることはわかっているのだけれども、こういう話で予定調和で終わるのは当然のこと、描写をキチンと積み上げてドラマに仕立てているから、不自然なところや欲求不満に感じるところは少ない。ホントに『スターウォーズ』よりよっぽどドラマの構造がしっかりしてるよ。
これまで謎(と言うほどでもないが)となっていた事実が明らかにされている点も多く、オタクなファンにはそれだけでも大満足。 ブロッサム、バブルス、バターカップのネーミングの由来も「お花が咲くようにパッと喋り出したから(ブロッサム)」「泡がはじけるように笑うから(バブルス)」ときて、「Bで始まる名前だから(バターカップ)」と、3人目が割リを食うのは、『リア王』以来の伝統か。 バブルスがいつも抱いてる玩具のオクティは、ユートニウム博士がくれた最初のプレゼント。博士のことを「Dady(パパ)」と呼んでキスをするのもバブルスが最初。オクティを肌身離さず抱いてたのは、パパとの最初の思い出だからなんだね。 レギュラー悪役で顔を見せるのは、モジョのほかにはファジー・ラムキンズとギャングリーン・ギャングだけ。ファジーは普段は山奥に引っ込んでてそんなに悪い事してないと思ってたけど、強盗してるのは食料調達で出稼ぎに来てるのかね。ギャングリーンギャングの住まいは、ゴミ捨て場のダンボール箱の中。なんだ、こいつらホームレスだったのか。バターカップもまさかこのときは後にエースに惚れることになろうとは想像もしてなかったろうなあ。 モジョの秘密基地を作ったのが実はPPGだったってのが、一番の衝撃の事実かな。エネルギーがマグマってのは見たとおりだけれど、基地を作った材料が、沈没船(何となくノーチラス号っぽい)や、氷山の中の隕石だってのはもしかして五右衛門の斬鉄剣(原作では「流星」という名の隕石から作った剣)からの連想か? それにしても、そんなことモジョはなんで知ってたんだろう(^_^;)。 喋る犬パピィは、てっきりテレビ第一話で、モジョが博物館から盗み出したアヌビスの呪いのせいで、人間が犬に変身させられていたんじゃないかと推測されていたが、もともと喋る犬だったことが判明。道理で呪いが解けても人間にならなかったはずだ。このパピィ、堂々と立ちションしてるけど、アメリカでは子供向けアニメに立ちションシーンを描くのは犬でもご法度。つまり、この一点だけ考えてみても、製作者たちがこの作品を子供向けだと思ってない何よりの証拠なのだ。 うーん、こういう細かいところも語りだしたらキリがないね。 PPGがテレビを見つめるシーン、画面に映ってる人たち、多分、実在人物のパロだと思うんだけど、よく知らないから解らない。誰か知ってる人いないか。 嬉しいのは特撮ファンにだけ分かるギャグを随所に散りばめてくれていること。市庁舎を巨大モジョがまたぐシーンは、明らかに本邦の『キングコングの逆襲』のイメージだし、そのあとPPGを捕まえて摩天楼(明らかにエンパイアステートビルがモデル)に昇るのはもちろんオリジナル版『キング・コング』。つまりこの二つのシーンが東西キングコング映画を結び付けているって趣向なのである。 摩天楼の中に働いてる人たちを見て、モジョが「こんなやつら、救ってやる価値があるのか!」って怒鳴ってるけど、恐らくこの人たちアニメのスタッフだ(^_^;)。楽屋オチだけど、一番好きなギャグがこれでした。 で、もひとつ人を食ってたギャグが、「PPG」という呼び名を考えたのが博士でも街の人たちでもましてやモジョでもなく、ナレーターだったってこと(^∇^)。いやはや、意表を突いてくれるねえ。
これは口にするとあまりにも単純なテーマなんで、気恥ずかしいんだけれど、この映画のテーマは、やはり、人間の心の「絆」だってことなんである。スーパーパワーだって、作者たちは決して便利ですばらしい能力だとは思ってない。博士が「ユニークなものは人には理解されにくい」と語った通り(幼稚園児に向かってすごいこと言わはる)、これは差別に立ち向かう物語でもあるのだ。 PPGとモジョはケミカルXが作り出した兄弟のようなもの。つまり、硬貨の表と裏のように、両者の境遇はいつ逆転するか分らない緊張感の中にある。憎しみや恨みを乗り越えて、人を赦せればPPGになるが、赦せなければモジョになる。 しかし、監督は恐らく、モジョを絶対悪の存在だとは思っていない。モジョもまた、もともとは「虐げられし人々」の一人なんで、逆恨みで博士やPPGや街の人々を恐怖のズンドコに陥れてるけれど、やっぱりスタッフからも視聴者からも暖かく見つめられてるのである。だってこいつの悪さがなかったら、PPGだって生まれてなかったって設定を、これだけハッキリと打ち出してるんだからね。 どんな悪にだって、そこに生きてる意味はある、それが『PPG』の隠れテーマでもあるのだ。意外とハードじゃない? さあ、みんなも『PPG』を見て悪の道に走ろう!(違うって)
映画がハネたあと、「カルビ大王」で食事。やっぱりしげ、肉ばかり食う(^_^;)。みんなでPPGを誉めたたえて、気分よく散会。 帰りの車の中で、しげから鴉丸嬢がエロマンガがうまく描けなくて困ってる話を聞く。 「やっぱり絡みのポーズがうまく描けないんだって」 「エロビデオ見りゃいいじゃん」 「そう思うけど。其ノ他くんに頼んで、知り合いの女の子と絡んでもらおうかと考えたけれど、それもイヤだしって言ってた」 「……オレたちがやってみせてもデブ専にしかならねーしなー」 これでも役者のハシクレなんで、ポルノモデルになるのも吝かではないのだが(貧弱な体形でもドデブでもそれなりの需要はあるもんである)、何分、職場にバレた時がまずいんでねえ。 けど、鴉丸嬢のマンガ、一度はホントにじっくり読んでみたいものだ。エロ話するわりには彼女は意外と純情なんで、ちゃんとエロが描けるかどうか心配なんだけど。やっばりネチっとした質感と言うか、絵に「重み」を与えられるかどうかが鍵だと思うんだが(ヤオイ同人誌の大半がエロではなくただのファンタジーだってのは、この質感のなさに起因してる面が大きい。どこに挿入してるんだかわからん絵も多いしな)、イラストだけ見てるといまいちエロに向いてないような印象なのが気になってるんである。
住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)が稼動して、マスコミは政府批判に忙しい。批判をしようと熱が入るあまり、針小棒大でムリヤリな報道を繰り返してる痴態が笑える。 その辺のコギャルにインタビューしてるけど、こいつらがいかにも馬鹿ヅラで、予めキャスターが与えた情報に操作されて、何も考えずにモノ言ってるのがバレバレ。 「住基ネットについてどう思う?」 「やっぱー、いきなりー、電話とか掛かってきてー、『オマエの秘密を知ってるぞー』とか言われたらー、怖いしー」 あのー、電話番号なんて、住基ネット調べなくても既に世の中には電話帳ってものが存在してるんですけれど(^_^;)。わざわざ電話帳に載ってない情報まで手間隙掛けて調べてイタズラ電話掛けるやつなんていないよ。逆に、そういうこと言うバカがいるからわざわざ調べようってやつが出るかもな。そうなっちゃうと、こりゃまさしくヤブヘビってもんである。 こういうアホな報道がまかり通ってること自体、住基ネットのどこがどう危険なのか、マスコミが全く理解してないってことを証明している。どうせ批判するなら、もっと別んところにカネ使えって批判した方がまだマシじゃないかね。 私の場合、本名も住所も電話番号も、どこにどう個人情報が漏洩しようがしまいがへったくれもない(ここで私の職業を勝手に憶測しないように)。逆にこの日記のことを職場にチクラレることのほうがマズイんだよねえ。 っつーことは、日記を移動して1年以上、今んとこ職場に秘密がバレてないってことは、私、意外と読者の方に好かれてる?(いや、常連さんはたいてい私の職業知ってるもんで。メールで聞かれりゃ教えてるしな)
NHK、『BSマンガ夜話』、今日のお題は『ぶっせん』(三宅乱丈)。見たことないマンガだけれど、結構面白そう。 アシスタントがなんとサトエリ。NHKも張ったなあ、という感じだけれど、衣装が全くムネを強調してないので、アシストに使う意味が全くない。ここでコスプレさせるくらいの度胸がないのがNHKの限界か。特定番組の宣伝になるのがマズイってんならオリジナルキャラでも作ればいいのに。いしかわじゅんにデザインさせてさ。きっと凶悪なデザイン描いてくるぞ(^o^)。 岡田斗司夫さんは、ダイエット中とかで10キロ以上痩せたというが、見た目たいして変わってない。大月隆寛も言ってたが、「でぶは14キロ痩せても普通の人の7キロ分」なのである。イタイ言葉だ(-_-;)。 毀誉褒貶激しい番組だけれど、もう23弾。ややネタに詰まってきつつある感じはあるけれど、古いのも新しいのも取り混ぜて、今後も続いて行ってほしいものだ。なんだかんだ言いながら、定期的に放送されてる唯一のマンガ情報番組なんだよ、これは。
マンガ、雷句誠『金色のガッシュ』6巻(小学館/少年サンデーコミックス・410円)。 イギリス編ラスト……っつーかデザイン的にも性格的にもヘンなキャラばっかり出て来るようになったなあ。『ワンピース』の影響か? 絵的には師匠の藤田和日郎の影響も大きいんだが(つまり天野嘉孝の影響も大)。 原稿の規定枚数がまたオーバーしそうなので感想はこんだけ(^_^;)。
DVD『久里洋二作品集』。 イラストレーターとしての久里さんしか知らない人も多いだろうが、アニメファンにとっては何と言っても実験アニメの久里さん、『殺人狂時代』の久里さん、「アニメーション三人の会」の久里さんである。だから『殺人狂時代』と言った場合、それがチャップリンのなのか、岡本喜八なのか、久里洋二なのかってのを区別するためには(ほかにも誰かいたな)必ずアタマに「誰それの」と付けなきゃなんないのである。 アイデア勝負の実験アニメだから、ハズしちゃって「なんだかなあ」って印象になっちゃってる作品もあるけれど、さすがに代表作の『人間動物園』や『殺人狂時代』は、シニカルな題材をサラリと見せるあたり、ブラックでゾクゾクする快感が味わえる。手塚治虫の実験アニメも多分に久里さんの影響受けてるよなあ。 『椅子』のような「実写アニメ」をマネしたやつ、もうホントに数え切れないほどいるものな。ヤン・シュヴァンクマイエルだって、久里さんの延長線上にいるのである。 懐かしかったのは『ケメ子のLOVE』。これをフルコーラスで聞けて嬉しがってるのはもう四十路(^_^;)。
で、、ここから8月7日(^_^;)。
炎天下を小倉まで出張。 特急だと小倉まで四十分か。昔、快速でも1時間半かかってたのがウソみたいだなあ。って何年前の話や。駅弁買ったりして、しばし旅の気分を味わう……ヒマもない。 中身は仕事に絡みすぎるからどこで何をしたかは一切書けない。楽しいこと半分、つまらんこと半分。 アジア太平洋インポートマート(AIM)で昼食ったバイキング、千円で食えるのはいいけど、チャーハンとかヤキソバとか、皿が空になったら追加がないのは頂けない。おかずが少なきゃバイキングの意味ないじゃん。 おかげでやたらスイカばっかり食っちゃったよ。
帰りの特急の中で外を見てたら、赤間で人間の背丈ほども直径のあるどでかい面が飾ってあるのを見付ける。どうやらエビスとオタフクらしいのだが、どちらもなんつーかこう、顔の歪んだ普通のオジサンとオバサンにしか見えない。いったいどういうセンスなんだ。「お師様まつり」とか幟りが立ってたみたいだけど、さっと通り過ぎたので確認できず。あのいびつなお面のせいで、ちょっとどういう祭か見てみたくなったが、行ってみりゃどうせただの縁日なんだろうな。
アニメ『ヒカルの碁』第四十二局「ヒカルVS和谷」。 原作ではもうこのころのキャラは完全に以前と違ってオトナなキャラになってるけれど、アニメの方は各話作監の問題もあるのがオトナになったりコドモになったり。今回はコドモだ。……和谷が楽平に見えちゃうんだよなあ。キャラ設定表、そろそろ一新したらどうかと思うけど、余裕がなくなってきてるのかなあ。 プロ試験も残り2戦。再来週くらいにはひと区切り、9月からいよいよ佐為との別れも秒読み段階ということになるけれど、それでも9月一杯じゃ終わらないよなあ。番組延長決まったのかな? 12月で最終回と踏んだがどうかな。
マンガ、ほったゆみ原作・小畑健漫画・梅沢由香里四段監修『ヒカルの碁』18巻(番外編/集英社/ジャンプ・コミックス・410円)。 第2部への場繋ぎエピソードで、内容のレベルダウンがあるんじゃないかと思ってたけど、一つ一つの短編がよくまとまっている。これもアニメにするなら、OVAでじっくりと時間と予算をかけて作ってほしいなあ。 塔矢アキラ、加賀鉄男、名瀬明日美、三谷祐輝、倉田厚、藤原佐為の6人をフィーチャー。帯で倉田さんだけがカラダがはみ出てるのが可笑しい。 表紙を飾っただけあって、奈瀬のエピソードの完成度は実に高い。 ……奈瀬、16歳だったのか。絵のイメージだと18歳くらいかと思ってたのに。それだけ小畑さんの絵がオトナっぽいんだけどね。 いやあ、本編では全く目立たなかったし(だから番外編に登場したんだろうけれど)、普通、番外編に出すならあかりだろう、なぜ奈瀬?(シャレではない)とか思ってたけど、読んでみるとこれが実にいい女だわ、奈瀬。 いやホント、マンガのキャラで「コイツいい女ー!」なんて思ったの、久しぶりじゃないかな。碁会所のオヤジたちの間で一歩もヒケを取らない打ちっぷり、毅然とした態度、こういう女を落としてこそ男の本懐ってもんだろう(古い表現でスマンねえ)。モデルはもしかして監修の梅沢由香里四段か? もっとも梅沢さんはちゃんとプロ試験に合格してるし、イイ男性にも巡り会えてるようだけれども(ご結婚おめでとうございます)。 やっぱ、現代の若い男って、みんな本気で軟弱化してるからさあ、「男を必要としてない女」、ありふれた言い方だけど「自立してる女」とは付き合えなくなってるんだよね。どうしても「女を守る」視点でしか女を見られないもんだから、必然的に「バカオンナ」しか引っ掛けられない。おかげで世の中の一人身の女ってのが、必然的にみんな「イイ女」揃いになる。ああ、もったいない。 ……いや、ホントに現実にイイ女があぶれてるわけじゃないんだけど、そう感じるくらい、リアリティがあるってこと。現実にいないかなあ、奈瀬。いたら真っ先にパトロンになってやるのに(カネねーだろ)。 ほったさん&小畑さん、月刊とかに『明日美の碁』とか描いてくれないかな。「奈瀬明日美写真集」でも可(^o^)。
CSチャンネルNECOで何気なく『パンツの穴 キラキラ星見つけた!』を見てたら、どこかで見たような人がチラホラ出てたんで驚く。 主役の西野妙子は、このあともなんかアイドル歌手やってたみたいだけど、言っちゃなんだが顔に華がないからねー。『プレイボーイ』のグラビアで何度か見かけたっきり、どこかに消えてっちゃったけれど、それも仕方がないかなって感じ。 それよりも浅野忠信だよ(^_^;)。これがデビュー2、3作目くらいか? いや、ヘタとかいう半端なレベルじゃないって。キャスト順位で言えば三番めだってのに、存在感も全くないし、これがよくもあそこまでブレイクしたもんだ。当時この映画を見てたとしても、あとになって出演してたなんて絶対気づかないよな。 中身の感想は特になし。 なんか、この『パンツの穴』シリーズって、第一作こそ菊地桃子主演で正統派アイドル映画的扱いがされてるけど、本質的にはB級C級アイドルの底上げ救済映画じゃなかったか。だって日本映画データベースで検索かけてみたけどさ、全8作中、私が知ってるアイドルって、志村香と中野理恵と西尾悦子(らんま1/2の主題歌歌ってころはあんなに脱ぎまくることになるとは思ってなかったなあ)くらいのもんだったぞ。私が無知なだけかもしれんが。丸典善カイって誰だよ。
ナンシー関『何もそこまで』(角川文庫・500円)。 買い忘れてた旧作。話題は1995、6年ころで、世間が阪神大震災とオウムで騒然となっていたころ。アニメでは『エヴァ』が始まった年だね。もう七年前になるのか、時が経つのは早い。 けれどそんな世間の流れに逆行するようにナンシーさんはテレビ番組のみを切っていく。オウムにナンシーさんが触れるのは、横山弁護士のコワレっぷりを描写する時だけだ。この態度がホントに潔くてよかった。 もちろん七年前の記事だから、今やナンシーさんの読みが外れたねってところはある。「『徹子の部屋』にホンジャマカは招かれても爆笑問題は招かれない」というのは今やニュアンスとしても事実としても違ってしまっている。 けれど当時の我々の「感覚」はそうだったのだ。爆笑問題がほんの5、6年ほど前までアナーキーだったことを覚えている人も若い人の中にはいなくなってきつつある。説得力のある「時代の表現」をなくしてしまったという空虚な気持ちは、今、じわじわと広がってきている。
2001年08月07日(火) 代打日記 2000年08月07日(月) 胃袋には限界があるのだ/『江戸幻想文学史』(高田衛)
| 2002年08月06日(火) |
プールサイドの妖精……誰が?/映画『パワーパフガールズ ムービー』ほか |
広島に原爆が落ちた日である。 なんだか今更そんなこと書くのも当たり前すぎてバカバカしい気もするが、そういう感覚こそが歴史の記憶が風化してるってことの何よりの証明なんで、事実の記録として、一応書いておくに如くことはない。
現実にもう、今時の10代、20代の若者には、冗談ヌキで、57年前、日本がどこと同盟を組んでどこと戦ったか、知らないやつがゴマンといるのだ。アメリカと組んで朝鮮と戦ったってマジで言ってたやつ、知り合いにいたよ。 ここまで来れば、親は何してる、教師は何してる、というレベルの問題じゃない。いい悪いではなく、現実として既に日本人自体が、もうあの戦争のことを忘れてしまっているのだ。夏が来れば思い出したようにテレビでは戦争特番が作られる。しかし、そういう「期間限定」で戦争の記憶が呼び起こされるというのは、裏を返せば普段はそんなこと忘れちまってるってことなんだよね。 8月6日に、8月9日に、8月15日に、あの戦争は封印されているのだ。
我々の子供時代には、まだ神社の境内に箱を持った傷痍軍人が立っていた。 両親に「あれなぁに?」と聞いたけれども、二人とも黙ったまま、何も答えてはくれなかった。戦争を経験していようがいまいが、多分、そんな親が圧倒的に多かったのだろうと思う。戦争の風化は日本人の総意だったと言ってもいい。
諸外国から、戦争の加害者であったことを忘れるのか、と非難されるのは当然ではあるのだろうが、さて、ではあの戦争の記憶を日本人は未来永劫抱きつづけていたほうがよいのか、ということになると、ことはそう単純ではない。アラビアンナイトのツボの中の魔人の話ではないが、ある境遇を強いられた者の感情は十中八九、恨みに転化するものだからである。 映画好きの私であるが、亡母からこの映画だけは見るな、と厳命されている映画がある。『ひめゆりの塔』だ。理由は「アメリカが憎くなるだけだから」。別に『ひめゆり』に限らず、『黒い雨』だって『はだしのゲン』だって、マジメに見てりゃ、アメリカ憎しの感情が起こるのもおかしかない。憎まずに、ただ戦争の罪のみを糾し、世界に平和を希求するなんてキレイゴトを通すことがはたしてできるものだろうか。人間は不器用だから、戦争の罪を許すには忘れるしかしかたがない面もあると思うんだけどね。 あの戦争に関しては未だにあまりにも観念論とイデオロギーが付きまとっている。マジメに戦争を語ったりすると、右か左かと見られるならまだしも、バカか道化のように見られるのがオチだ。で、実際に今、戦争を語ってる連中って、右も左もなんだかわかんないのもこぞってバカばっかりでしょう(^_^;)。 ……いや、ようやく小林よしのりの『戦争論2』読んだんだけどね、なんか感想書くのがバカバカしくなってきてねえ。と言っても、内容が間違いだらけ、ということを今更指摘したいんじゃなくて、ああいう「物語」が語られる段階で、戦争って、本当に風化してしまったんだなあ、ということを実感しちゃうのよ。 小林さんの主張を全てウソだと断定はしない。しないけど、あの本読んでるとさ、大東亜戦争自体が大いなる虚妄であったのではないか、なんてことも日本人はほとんどマトモに論議してこなかったんだなって、実感しちゃうのよ。小林さん、未だに「公」がどうのと主張してるけれど、公共道徳の「公」と、全体主義による個人の思想の弾圧をいっしょくたにしちゃいけないよな。 全てを忘れてしまえ、とまで言うつもりはない。けれど、庶民レベルではもはや、「せんそうはいやだ、ひとがおおぜいしぬから」と、その程度の認識でしか、あの戦争は理解されなくなっている。っつーか、それでもマシなほう。小松左京の『戦争はなかった』は、マジで現実化しているのだ。 あの戦争を理解するには、あまりにも戦後の「事情」が錯綜し過ぎたのだ。
いやねえ、戦後すぐの小学生の日記なんかを読んだりするんだけど、これがもう、一年前まで戦争してでしたって感じがヒシヒシと伝わってくるんで、こりゃもう、戦争を知らない世代がヘタなこと言えるもんじゃないよなあ、と思うよ、ホントに。
午前中だけ、出張。 一時的に落雷、大雨が降るが、幸いタクシーに乗っていたので、濡れずにすむ……って、よかないんだよ。上司から、最寄りの駅から現場までタクシーで10分、とか聞いてたから安心してたら25分もかかったぞ。タクシー代が馬鹿にならんほどかかった。でも、これって職場から出してもらえないんだよな。 出張先で昼飯に食った炒飯がこれ以上ないってくらい不味い。油でべとついてモチ状態になってんだよ、これが。胃にもたれる気はしたが、なんか癪に障るんで犬ぐいする。案の定、腹をコワす。何やってんだ、オレ。
昼2時、竹下駅でしげと待ち合わせて、帰宅。 すぐに穂稀嬢から電話連絡があり、グッディまで来ているとのこと。詳しいスケジュールは知らされてなかったのだが、どうやら穂稀嬢のおトモダチのM子嬢の車でプールに向かうことになってるらしい。 昨日買ったばかりの海パンに帽子、度付き水中メガネやバスタオルをコンビニのビニル袋に突っ込んで出かける。「そんなんでいいと?」としげがオヤジを見るような眼で見るが、粋なバッグなんてのは持ってないからしかたがない。 オヤジはよう、天神に出かけるのにもサンダル履きが普通だからいいんだよ。わが父君は、新幹線で上京する時、シャツ一枚にスリッパで行ったこともあるからまだ私のほうが負けている。勝ちたくもないが。
穂稀嬢、マンションの下まで迎えに来ている。 以前より髪の毛が三倍くらいに伸びている。夏場に髪を伸ばすのはお菊人形だけでたくさんだ、と心で思うが口には出さない。たまに、心にもないことを口にすることもあるから、気をつけておかないといけないのである。オトコの趣味に合わせて伸ばしてるのかな。穂稀嬢、最近、またオトコ引っかけまくってるって話だからなあ(あ、ウワサですからね、ただの)。 ちなみに私もロングヘアは好きである。一時期、しげにもロングでいてもらったことがあるのだが、怖がりのしげ、夜中に自分の髪の毛がフトンに広がってる様子が怖くて悲鳴をあげるので、すぐに短く切ってしまった。せめてボブにしてくれたらなあ。ボブも実はルイズ・ブルックス(古いね)をスチールで見て以来、大好きなのである。でもしげには多分似合わないな。 グッディの駐車場で、M子さんの車を初めて見たが、車種はよく知らないが、シルバーでメタリックな、しかもやたら平べったくて縦長な大型乗用車である。なんだかちょっと昔の「スーパーカー」が入ってます、みたいな。「飛ぶの? これ」と冗談を飛ばしたくなったが、ウケそうにないのでやめる。 しげ、乗ってる間ずっと、「車高低い、怖い」を連発してうるさい。他人の車に乗るときはマナーを考えろと、私には散々言ってるくせに自分は全くデリカシーというものがないのである。
3時過ぎ、プール到着。 どこに行くのかと思ってたら、アクシオン福岡の近くだった。 アクシオンってのは比較的新しくできた運動施設で、福岡で国際的なスポーツ選手を育成しようってな目的があるらしく、結構な予算をかけてぶっ建ててるんで、見た目だけはやたらとバカでかい。 「アクシオンの中にあるの?」と穂稀嬢に聞くと、 「その隣です。古いほう」と答える。こんな山奥にはあまり来たことなかったから、そんな昔からプールがあるとは知らなかった。 残念ながら、入口で二手にに分かれる(当たり前だ)。サイフを持って来るのを忘れたので、しげに入場券を買ってもらったら、しげ、「ワザと忘れたと?」とブツブツ文句を言う。私にたかるときは思いきりたかるくせに、人間のウツワが狭いと言うか、ヒキョウ者と言うか。
水中メガネ、10年も前に買ったやつだが、一番度の強いやつでも私の視力を強制できるものではない。普段つけてるメガネですら矯正視力が0.3なのに、多分このレンズだと0.1程度。それでも気休めにはなるので、つけてプールサイドに出るが、ヒトの姿がぼんやりとしか見えない。 しげたち、どこだよ。あのへんの「人だかり」がそうかな? と見当をつけていく。これで「やあ」とか声かけてみて、アカの他人だったら、大恥をかくところだ。いや、たまにホントにやるし。 そういうわけで、しげや穂稀嬢の水着姿やスタイルの細かい描写はできないので悪しからず。まあ勝手に釈由美子とか優香とか想像して下さい。
プールと言っても、別に泳ぐつもりはなかったのである。 全身運動になればいいなあと思っていたので、歩いて往復しようかとか、軽く考えていたのだが。 ……水深が2メートルあるなんて聞いてないぞ。しかもなんでタテが50メートルもあるのだ。CIAの陰謀か。 穂稀嬢とM子嬢はスイスイ泳いでるのだが、中年でしかも数年泳いでない私が、一気に泳げるはずもない。学生のときだって、75メートルを超低スピードで泳ぐのが限界だったってのに、私に溺れて土左衛門になれというのか。誰もが思いつくダジャレを思いついたが、ウケないことが解りきってるので言わない。ますます腹が膨れるやんけ。 しかたがなく、プールのヘリに掴まって、「からだを送る」。全身運動と言うより、ひたすら腕の筋力を鍛えている気がしてくる。段々愚痴が口をついて出る。 「なんでみんな泳げるんだよ、人間は水に浮くようにはできてないのに」 「できてますよ」 すかさず穂稀嬢がツッコミ。できてるんならなぜ私だけ沈むのだ。 それでもたまに泳ぎに挑戦。クロールも平泳ぎも異様にスピードが遅い。息よりも体力が続かず、10メートル進んではヘリに掴まる。その横を穂稀嬢がひゃらら〜っと泳いで抜いて行く。足を掴んで沈めたくなる衝動に駆られるが、犯罪者に間違えられたらいけないので、あきらめる(犯罪だって)。 ふと、しげを振りかえると、ボードに乗ってぴちゃぴちゃ遊んでいる。こいつも泳ぎは得意ではないのだが、水遊び感覚なので、全然苦になってないらしい。へらへら笑ってやがるし。いいなあ、コドモは。
でもなんだかんだで二時間以上遊んでいた。 いや、プールって好きなんだよ、実は。泳いだあと、ついポカリスエット飲み過ぎるから、運動の意味がないんだけど。
5時過ぎに帰宅して、しげ、仮眠を取る。 昨夜も夜通し仕事、今日は昼からプール、そして夜はエロの冒険者さん、ぴんでんさんと映画を見る予定なので、しげには寝る時間がほとんどないのである。私は昨夜はたっぷり寝てるから、多少の夜更かしも平気だが。 待ち合わせの時刻は8時半にトリアス久山で、ということだったが、車で行くのは初めてである。けれどまあ1時間見ておけば余裕かと、7時半までしげを寝かしておく。2時間くらい寝ておけば少しは持つだろう。実際には、山を越えて45分で到着したので、あと15分は寝かしてあげられていたが。 交通機関を使うと、トリアスまでは福岡空港を迂回する道しかない。乗り継ぎもあって軽く2時間はかかってしまうのだが、意外と家から近かったことに気づいたのは発見だった。
早めに着いたので、腹をすかして泣いてるしげとケンタッキーフライドチキンで、軽めの食事。軽めと言っても、二人ともチキン2ピースくらいは食う。映画のあとは食事も予定しているので、私は控えたかったのだが、しげがあまりに「腹減った腹減った」とうるさいので根負けしたのである。だつたら、しげだけ食河、私は食わなきゃいいじゃん、と言われそうだが、やっぱり目の前で一人だけうまそうに食ってるのを横目で見てるだけってのもねえ。
エロさん、ぴんでんさん、お二人とも待ち合わせ時間に15分遅れて到着。 この程度の誤差は博多時間の範囲内だから、私は全く気にしていないのだが、しげは明らかに不安げであった。待ってる間ソワソワしていたので、「まあ、予告編の時間もあるし、ギリギリでも絶対込んでないから」と言って安心させる。 まあ、見る映画が『スターウォーズ』だったらこんなことは言えないが、『パワーパフガールズムービー(字幕版)』だからな(^_^;)。けれど面白さにおいて両者には格段の格差があったのであった。
映画『デクスターズ・ラボ/ニワトリ男の恐怖』。 『パワーパフガールズ』の本編が81分と短いので急遽くっついたと思しい短編が先に上映。 天才科学者の少年(デクスター)に、乱暴女の姉(ディーディー)のコンビってのも、なんだか日本のマンガにあったような気がするが、思い出せん。マッドサイエンティストの姉に気弱な弟が振り回されるってパターンなら、あろひろしとか描いてそうだけどな。 オマケ映画だから、ツマンナイかというと、さにあらず、天才が、日常的な常識には欠けている、というのは、シャーロック・ホームズからパタリロに至るまでの黄金パターン。これを生かしたメリハリのいい短編にしあがっている。 全身に水疱瘡ができたデクスターを見て、ディーディーが、「それ掻いちゃうとニワトリに変身しちゃうわよ」、ウソをつく。と言ったって掻かずにはいられないデクスター、ロボットに電気ショックを浴びせてもらったり、超巨大メカを作って、カラダを縛りつけたり(どでかいワリに、機能がカラダを縛るだけってところが秀逸なギャグ)するけれどもやっぱり掻いちゃう。 もう劇場の大画面に、全身を掻きまくって狂喜するデクスターの痴態が踊る踊る(^o^)。こういうキタナイキレテルネタを堂々とやってくれるところがいいねえ。
映画『パワーパフガールズ ムービー』。 本国での公開は既に終わり、前評判はよかったものの、興行自体はイマイチ伸び悩んだようだ。製作費2500万ドル(換算すると約30億円? どっひゃー!)に対して興行収入は1000万ドル。やっぱり『ポケモン』ほどの認知度はないのかなあ。アチラの批評じゃ、「テロ事件を連想させてよくない」なんてのもあったそうである。バカはいるよな。 なんかねー、『クレヨンしんちゃん』についても「だって『クレヨンしんちゃん』でしょ?」と、自分のアタマでモノ考えずに見ないやつらは腐るほどいるからねー、『PPG』を普通の子供向けアニメだと思ってツマンナイと決めてかかってるオトナ、多いんじゃないかなー。確かに『サウスパーク』みたいにハッキリオトナ向けを打ち出しちゃいないけど、そんじょそこらのファミリー向けアニメとは格段に質が違う。 いやあ、ある意味実験アニメといっていいくらい、これまでのアニメ技術の粋を集め、それを更に発展させて表現している。単純な線のキャラクターだから勘違いする客もいると思うけれど、一見、テレビアニメの延長線上にありながら、その演出が映画としてブローアップされてるのがすごい。そのすごさがわかりにくい点では『となりの山田くん』並なんだけれども(^_^;)。 もちろん、全編がデジタルで作られてるんだけれど、あのCG映像の無機質感が見事なくらいに払拭されている。すなわち、セルアニメの柔らかな質感を残しつつ、カメラアングルは自由自在、ということをやってのけているのだよ。 日本のセルアニメは、もともと奥行きを表現するのには、もっぱら「職人の技術」に頼っていたわけだけれども、デジタルを導入することによって、一応以前よりは楽に奥への動きを表せるようになった。けれど、『どれみ』とか見ててもわかるけど、まだまだ「タテへの引き」にしか見えない部分が多いんだよね。『PPG』がすごいというのは、アニメでありながら、きちんとカメラを意識したアングル、レイアウトを常に意識していること。 たとえば、テレビシリーズでも、キャラクターにカメラが迫っていく時に、遠景、中景、近景と、何段階かに分けて近づいていく、という映画的技法を使っていたけれども、こういうのは単にただアップにしていくより、ずっとキャラクターの心理と観客の心理がシンクロする効果があるのだ。カットを割るだけでなく、少しずつ近づいていきながら、絶妙のタイミングでキャラクターのアップに迫る。うまい! ほかにもあそこの構図はどうの、あのタイミングはどうのといろいろ言いたいことはあるんだけどさ、キリがないから省略。けれど、こういうさりげない演出をキチンと評価していかなきゃ、アニメがいつまで経っても子供のもの(この場合の「子供」は「バカ」と同義の差別語だ)で終わっちゃうよな。
まだ書き足りないが、規定枚数を越えたので、今日はここまで。明日の記事に続く。
2001年08月06日(月) 復活日記(笑)1・加筆もあるでよ/村上春樹『約束された場所で』ほか 2000年08月06日(日) まぬけ三態/『テレビ消灯時間2』(ナンシー関)
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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