無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2005年02月13日(日) 吾妻ひでお復活!/『魔法戦隊マジレンジャー』第1話ほか

 昨日の日記で、「全シリーズを丹念に買ってたのが『いただきストリート』だった」と書いたら、しげから「『アイドル雀士スーチーパイ』はどうした?」とツッコミがありました。そう言や、結構シリーズ買ってたなあ。
 かないみかさんのとっても楽しい声を聞きながら、そうかあ、かないさんは旦那さんの山寺宏一さんと……と想像を逞しくされた声優ファンもいっぱいいたろうと思われる(嘘)。
 まあこれもヒマツブシにはいいんだけど、私、脱がしゲーは萎えるんで。いや脱がせたら脱がせたで一応ちゃんとスクロールして見はするけどさ。


 『魔法戦隊マジレンジャー』第1話「旅立ちの朝 〜マージ・マジ・マジーロ〜」。
 ……タイトル書き写しながらも脱力感が漂っちゃうんだけれども、もう戦隊シリーズつて、タイトルも内容も何てもありっつーか、節操なくなってるよなあ。原作が実は『ゴレンジャーごっこ』だと言われても納得しちゃうぞ。いやまあそれは今に始まったことじゃないんだけれども。
 ともかく今回のキーワードは「魔法」である。またロートルが何を言うとるかと若い人の顰蹙買うかもしれないが、「魔法じゃSFじゃないじゃん」。少なくとも、これまでの特撮番組は、『5年3組魔法組』みたいなまんま魔法ものを除けば、「魔法」的なものが出てきても、何かそれらしいリクツをつけて“SFっぽく”してはいたのである。いや、別に戦隊ものがSFである必要は全くないのだが、SFに拘っちゃいないんだなということが実感されてしまうとなんかまた一つ、心の中に大切に仕舞っていた大切なものが、カタッと音を立てて外されてしまったような、そういう寂しさを覚えるのよ。魔法の変身アイテムが携帯(“マージフォン”だと)って、『プリキュア』じゃん(+_+)。
 でもまあ、そもそも戦隊シリーズに何かを期待しているわけではないから、主人公・魁(マジレッド)がいきなり鉄塔によじ登って子供が飛ばした風船を取ってあげようとしていても、「ワザトラシイつかみだ」なんて思わない。実は魔法使いだったお母さん、「あんなムチャをする子に本当の勇気は分からない」とか言って、魁一人だけに携帯を渡さなかったくせに、他の四兄弟が危難に陥ったところに魁が「何の用意もなく」飛び出していったら突然掌を返して「それこそ勇気よ!」って言って携帯を魔法で転送するってのは矛盾してるんじゃないのかなあ、なんて思わない。ええ、思いませんとも。
 若手五人の芝居はもう毎回アレなんだけれど、一家のお母さん役の渡辺梓さん、随分芝居がしっかりしてる人だなあ、と思って調べてみたら、無名塾の人だった(仲代達矢さんとこね)。まあ当たり前だが、正義側ではマジマザーがイチバンカッコイイのである。

 『仮面ライダー響鬼』三之巻 「落ちる声」。
 一乃巻に続いて、またもやオープニングは「通学サイクリングミュージカル風」だけれど、メロディーが『かえるのうた』(つか原曲はドイツの民謡)で、それを「き、き、き、き、きききききききき、きたえよう」とか替え歌にしているから、1話よりずっとお間抜けな雰囲気になっている。もともとヒビキがこの歌を1話からずっと口ずさんでいるから、それがヒビキに憧れる明日夢にも移った、ってことなのだろう。空に浮かんでいる雲までがカエルの形なのがおかしい。
 どうやらこのミュージカル風演出、今後も定着するようだ。第1話を見たときには「なんだこのお寒い出だしは」とちょっと憤っちゃったのだが、あくまで「お間抜け」路線で行くというのならこれもアリか。明日夢くんの歌う歌がヘタクソなのはもうちょっとなんとかしてほしい。ああいう演出は「歌だけは上手くないと映えない」ものなのである。
 ヒビキ役の細川茂樹の飄々としたオジサンぶりが何となく金田一耕助っぽくて、演出の悪ノリな部分がそう気にならなくなった。明日夢がショックで試験に落ちるかもしれない、と言われて、慌てふためく様子もかわいい。『アギト』のころ、劇中でやたらつまらないダジャレを飛ばしてたのは腹が立ってたものだったが。
 ただ、展開がギャグっぽくなっている分、敵の妖怪との対決が逆に取ってつけたようになってる印象はある。今回の敵はヤマビコ。でも外見は赤面猿といった感じ。前回もオスメス型の妖怪(「怪童子」と「妖姫」と言うのだそうな)と巨大蜘蛛が出てきたから、最後に出て来たデカイのが「巨大ヤマビコ」になるのかな?


 で、あと一日何をしていたかというと、昨日に引き続き、『いたスト』やってました(^_^;)。
 だからゲームは魔窟なんである。


 読んだマンガの感想を最近なかなか書けないが、これだけは絶対書いとく。
 と言っても、旧作の再版が殆どの吾妻ひでお作『オリンポスのポロン』1、2巻。これが「ハヤカワ文庫」から出版されていることの意味も、今の若い人にはわかんなくなってるんだろう。……あのね、ここだけの話ですが実は吾妻ひでおって、「えすえふ」なんですよ。
 『おちゃめ神物語コロコロポロン』と改題されて1982年にテレビアニメにもなったから、20代の人は知らなくても、まあ30代以上の人ならば覚えている人もいるとは思う。ギリシャ神話をベースにして、半人前の女神ポロン(太陽神アポロンの娘)が、一人前の女神になるべく頑張るという、いかにも少女マンガ的な物語だが、実は吾妻ひでおのマンガの中でも、最もロリ度が高い。ロリコンブームの中でこれが吾妻まんがアニメ化の第1号に選ばれたのもそれが理由だろうが、残念ながらスタッフがヘボヘボで、ポロンが全然可愛くなかった(二作目の『ななこSOS』はちょっとマシになった)。今回描き下ろしの「あとがきまんが」を読むと、当時の監督、まるでやる気がなかったらしい。『J9』の監督もやってて、それなりに人気はあった人なんだけれどもねえ。
 今でも私は「こーわくない、でもこっわっいー、はーずかしいー、でもうっれっしー♪」って『ポロン』の主題歌が歌える。でも実はそのころ大学生だった私の下宿にはテレビがなくて、実家に帰ったときくらいしか『ポロン』は見たことなかった。じゃあ、なぜ主題歌が歌えるかというと、吾妻ひでおのファンだった某友人が、学内だろうと道端だろうと、人目も憚らずに口ずさんでいたので、横で聞いてて自然に覚えてしまったのである。私のことをロリだと勘違いする人がいるが(女房と結婚したとき、向こうが18歳だったから誤解を招いたのだ)、ロリ度においてはその友人の方がはるかに上だった。だって俺、吾妻ひでおはともかく、内山亜紀までは集めてなかったもん。これだからオタクはよう。
 本当は吾妻ひでおの世界は更に幅広く、最先端のSFをまんがの形でコアなファンの間にも浸透させていった。『やけくそ天使』『贋作ひでお八犬伝』『不条理日記』『スクラップ学園』『陽射し』『メチル・メタフィジーク』などなど……。
 つまりそれくらい「吾妻ひでお」は80年代の「SFファンの(およびロリコン)のカリスマ」的な存在だったわけであるが、まあ、この『ポロン』がヒットしなかったのは痛かった。多分、みんな次の「吾妻アニメ」に期待したファンはたくさんいたと思うが(特に『スクラップ学園』は誰もがアニメ化されると固く信じていた)、『ポロン』と『ななこ』の二作で、吾妻アニメはその歴史を閉じてしまったのである。
 今、原作マンガを読み返してみると、パロディでありながら、『ポロン』は意外にも原典であるギリシャ神話にかなり忠実である(オリジナルキャラであるポロンですらパエトーンをモデルにしていることを今回あとがきまんがで吾妻さんは明かした)。ペルセウスと結ばれるのがアンドロメダではなくメドゥーサだったりするという改変はあるが、それは吾妻さんが蛇女に変身させられたメドゥーサを哀れんでいるからだろう。ブラックなギャグの背景にある吾妻さんの優しさがこのあたりにも垣間見える(だって、メドゥーサのキャラ、まんま当時吾妻さんがファンだったアグネス・チャンなんだもの)。そういう発見も今読むと新鮮だ。
 2巻の解説で、山本直樹さんがこう書いている。
 「現在の日本のマンガの半分は手塚治虫が作ったものです。あとの半分はつげ義春が作ったものです。で、その二つを一番最初に融合させたのが吾妻ひでおだったと思うのです。」
 山本さん自身、「暴論」と称するこの意見。私も賛成したいと思うのである。
 あ、それからあとがきで、エロースのモデルになったアシスタントの「K君」というのは、マンガ家の沖由佳雄のことだけど、この人もすごいロリな絵を描いてて今でも同人誌は出してるみたいだけど、商業誌ではあまり見かけなくなった。この人も私は好きで『プチ・アップルパイ』とか、この人のまんがが目当てでずっと購読してた時期があったのだが、誰か消息知ってる人はいませんか(やっぱり私もロリか)。

2004年02月13日(金) 入院日記12/退院決定!
2003年02月13日(木) 絆創膏綺譚/『逆説の日本史7 中世王権編』(井沢元彦)/『魔法使いさんおしずかに!』1・2巻(竹本泉)ほか
2002年02月13日(水) たくさん書いてるけど半日は寝ている(^^)/『ギャラリーフェイク』24巻(細野不二彦)ほか
2001年02月13日(火) 明日寂しい思いをする人は読まないで下さい/『コロンブスの航海』(J.P.チェゼラーニ)ほか



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