無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2005年01月04日(火) 2004年度映画勝手にベストテン

 正月は連続放送が多いけけども、午前0時からはキッズステーションで『げんしけん』一挙放送を見る。DVD予約してるから、別に見なくてもいいんだけど、ついまとめて見る機会があると見入ってしまうのである。作画も演出もイマイチなんだけど。
 ひと寝入りして起きて、アニマックスで映画『犬夜叉 鏡の中の夢幻城』。こちらもまた、特に感想言わなきゃなんないほどの出来でなし。作画はまあまあなんだけれど、ありきたりの展開、ありきたりのセリフで、いささかゲンナリ。
 「犬夜叉〜!」「かごめ〜!」って繰り返し呼び合うだけの脚本、ちったあ何とかしようって気にならなかったのかね。


 正月二日、三日と働いてたしげがようやく休みを取れたので、昼過ぎからキャナルシティまで買い物に出掛ける。途中、対向車とすれ違ったときに、ガードレールにぶつかって、前輪のカバーのところがかなりへこんでしまった。「運転席からは傷は見えないから気にしない」とか言ってたが、そのあと「保険利くのに保険使わなかったらモッタイナイかな」とか「ウラから叩いたら元に戻らないかな」とか言ってたので、内心、すごく気にしているのである。素直に修繕するしかないんと違うかな。
 福袋を買うのが毎年の恒例なのだが、しげのお気にいりのミッフィーの店もトロの店も、バタバタと閉店してしまっている。目指すのはもう「チャイハネ」しかないのだが、もう三が日は過ぎているし、「福袋あるかなあ」としげは心配していた。店に着いてみると、なんとたった一個だけ、狙いすましたように残っていた。
 福袋の表には、「アクセサリーなど」と書いてある。インドなアクセサリーがどんなものか、ちょっと想像するのが怖かったが、しげは屈託なく福袋をレジに持って行く。私にしてみれば「闇鍋」感覚だ。新しい服も買ってご機嫌のしげ、帰宅して早速福袋を空けたのだ。途端に「いやああああ!」とズタ袋を引き裂くような悲鳴(^_^;)。中から真っ先に出てきたのは、妖しい人形の置きモノ。どれくらい妖しいかって、あのオウム真理教の麻原彰光こと松本智津夫ソックリなのである。つまりこれ、「グル」の人形なんだろうけれど、売りモノになるかどうか、わかんないのかねえ。まあだからこそ福袋に詰めこまれちゃったのだろうけれども。
 それでもスカーフやら帽子やら茶碗やら、それなりに使えそうなものはいろいろ入っていたので、総体としては損しちゃいない感じだけれども、なんだか「恐るべしチャイハネ」といった初買い物であった。


 『キネマ旬報』の2004年度読者選出ベストテンのシメキリが明日なので、慌てて昨年見た封切映画映画をカウントしてみた。ハガキに書けるのは十位までだけれども、一応、見た映画に全部順位を付けてみた。
 映画祭やリバイバルの映画も見ているので、実際には劇場で百本以上見てはいるのだが、そういうのは選考対象にならない(『ラスト・サムライ』『ファインディング・ニモ』などは昨年公開されて今年まで続映していたので、これも本当は選考対象にならない)。封切映画だけに絞って、表にしてみたのが以下のものである。
 一般人のわりにはかなり劇場に足を運んでいるほうだとは思うが、それでも「おまえにベストを選べるほどの資格があるのか」と問われれば、返答のしようもない。スケジュールの都合がうまく合わなくて見られなかった映画で、もし見ていれば、ベストテンに入れたくなるかもしれない映画がかなりあるからである。日本映画では『バーバー吉野』『下妻物語』『茶の味』『父と暮らせば』、外国映画では『シービスケット』『殺人の追憶』『コールドマウンテン』『パッション』『白いカラス』『モンスター』『コラテラル』『オールドポーイ』あたりを見損ねた。また、昨年公開だけれども、まだロードショー公開中で福岡に来ていない『約三十の嘘』などもある。
 『キネ旬』の読者投票に応募する人の中には、全国各地域の映画ファンクラブに入会している人も多いだろう。私以上に年間200本、300本と見ている人もたくさんいらっしゃるだろうが、それでも昨年公開の映画を全て網羅して見たという人は少ないに違いない。邦画・洋画を合わせて、700本近くあるのである。1日2本ずつ見ていかないととてもおっつかない数字だ。一般人どころか、映画評論家だって、そう簡単にクリアできる数字ではない(事実、年間に200本程度しか映画を見ない“自称映画評論家”は腐るほどいるのである。それでプロを名乗るなと言いたい)。
 そういう状況であれば、ベストテンを選ぶ行為自体、そもそも無意味である。それでもこういうベストテンがしょっちゅう行われるのは、これが「お祭り」として定着しているのと、集計結果はともかく、選定する個々人の「趣味」を読んで楽しめるからだろう。日記の更新ができなくて、触れることができなかった映画も多いので、おおざっぱではあるが、レンタルやテレビで見るときのご参考になればということで、リストを作ってみた。
 ただし、私個人の趣味で選んだベストテンであるから、当然のごとくかなり「偏り」がある。ミステリーファンなら面白いだろうが、そうでない人には見るのがいささかキツイだろう、とか、そんな作品もある。というわけで、タイトルの後ろに「ごく普通に映画を見るのが好きな人」用のホシを付けてみた。これで「私は面白かったけど、ほかの人はどうか分からんよ」「私には全然つまんなかったけど、世間じゃこういうノリの映画がウケるんだろうね」なんて、私と世間との感覚のズレ(^_^;)を察して頂けたら、長々と批評書く代わりになるかと思う。

☆☆☆☆☆ …… 多分、かなりの人が見て満足する出来。わんだほー!
☆☆☆☆★ …… 上質のエンタテインメント。騙されたと思って見てみて!
☆☆☆★★ …… 面白いけど、好みが分かれるかな。内容を事前に調べておこう!。
☆☆★★★ …… 趣味の世界。合わない人には全然つまらない。
☆★★★★ …… かなり退屈。どうしても見たいなら、止めないけど。
★★★★★ …… こんなクソ映画を見て、人生の貴重な時間を無駄にしてはいけません! (`□´)

あと、太字にしたのは「ワースト」。ご意見その他ありましたら、掲示板の方へどうぞ(^o^)。

〔日本映画〕
1『マインド・ゲーム』   ☆☆☆★★
2『盲獣VS一寸法師』  ☆★★★★
3『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ! 夕陽のカスカベボーイズ』 ☆☆☆☆★
4『イノセンス』       ☆☆☆★★
5『レディ・ジョーカー』  ☆☆☆☆★
6『いかレスラー』     ☆☆☆★★
7『誰も知らない』     ☆☆☆☆★
8『キューティーハニー』 ☆☆☆★★
9『雲のむこう、約束の場所』  ☆☆☆★★
10『ラブドガン』       ☆☆★★★
11『スウィングガールズ』 ☆☆☆☆☆
12『恋の門』        ☆☆☆★★
13『花とアリス』      ☆☆☆★★
14『半落ち』        ☆☆☆☆★
15『理由』          ☆☆☆☆★
16『CASSHERN』   ☆☆☆★★
17『隠し剣 鬼の爪』   ☆☆☆☆★
18『ULTRAMAN』    ☆☆☆★★
19『着信アリ』       ☆☆☆☆★
20『嗤う伊右衛門』    ☆☆☆☆★
21『ゼブラーマン』     ☆☆★★★
22『丹下左膳 百万両の壺』 ☆☆☆★★
23『伝説のワニ ジェイク』☆☆★★★
24『インストール』     ☆☆★★★
25『ワンピース めざせ! 海賊野球王』 ☆☆★★★ 
26『ハウルの動く城』   ☆☆★★★
27『ゴジラ FINAL WARS』 ☆★★★★
28『名探偵コナン 銀翼の奇術師(マジシャン)』 ☆★★★★
29『ワンピース 呪われた聖剣』 ☆☆★★★
30『IZO』         ★★★★★
31『アップルシード』   ☆☆☆★★
32『世界の中心で、愛をさけぶ』 ☆☆☆★★
33『スチームボーイ』   ☆★★★★
34『笑の大学』      ☆☆☆★★
35『デビルマン』     ★★★★★



〔外国映画〕
1『岸辺のふたり(ファーザー・アンド・ドーター)』 ☆☆☆☆☆
2『ベルヴィル・ランデブー』 ☆☆☆★★
3『ドッグヴィル』       ☆☆★★★
4『父、帰る』          ☆☆★★★
5『Mr.インクレディブル』  ☆☆☆☆★
6『プリンス&プリンセス』  ☆☆☆★★
7『ミスティック・リバー』   ☆☆☆☆★
8『箪笥』            ☆☆★★★
9『真珠の耳飾りの少女』  ☆☆★★★
10『ロスト・イン・トランスレーション』  ☆☆★★★
11『ターミナル』        ☆☆☆☆☆
12『カレンダー・ガールズ』  ☆☆☆☆★
13『レディ・キラーズ』     ☆☆☆★★
14『ビッグ・フィッシュ』    ☆☆☆★★
15『LOVERS』        ☆☆★★★
16『フォーチュン・クッキー』 ☆☆☆☆★
17『スクール・オブ・ロック』  ☆☆☆☆★
18『キル・ビルvol.2』     ☆★★★★
19『真実のマレーネ・ディートリッヒ』   ☆☆★★★
20『バレエ・カンパニー』   ☆☆★★★
21『80デイズ』         ☆☆☆☆★
22『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』 ☆☆☆★★
23『シュレック2』        ☆☆☆☆★
24『テキサス・チェーンソー』☆☆☆★★
25『ファインディング・ニモ』  ☆☆☆☆☆
26『アイ、ロボット』       ☆☆☆★★
27『スパイダーマン2』     ☆☆☆★★
28『メダリオン』         ☆☆☆★★
29『バレット モンク』     ☆☆☆★★
30『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』 ☆☆☆☆★
31『トロイ』           ☆☆☆★★
32『ポーラー・エクスプレス』 ☆☆★★★
33『スイミング・プール』    ☆★★★★
34『ツイステッド』       ☆★★★★
35『ヴィレッジ』         ☆☆☆★★
36『ピーター・パン』      ☆☆★★★
37『ゴシカ』           ☆☆★★★
38『キャットウーマン』    ☆☆☆★★
39『ルーニー・テューンズ バック・イン・アクション』 ☆☆☆★★
40『マイ・ボディガード』   ☆★★★★
41『21グラム』        ☆☆★★★
42『キング・アーサー』   ☆☆★★★
43『シークレット・ウィンドウ』☆☆★★★
44『ゴッド・ディーバ』    ☆★★★★
45『ラスト・サムライ』    ☆☆☆★★
46『ペイチェック 消された記憶』  ☆☆★★★
47『サンダーバード』     ☆☆☆★★
48『華氏911』        ☆☆☆★★


 私も『ハウルの動く城』をかなり低く見積もっているし、世間でもかなり「つまらない」という意見が散見しているのだが、既に観客動員数は、公開された昨年11月20日から今年1月2日までの44日間で、1000万人を突破しているそうな。一月半で、日本人の十人に一人くらいが見ている計算になるねえ。実際、知り合いでもかなりの人がもう「一度は」見ているのである。これから先、東宝も一年くらいはロングラン上映するだろうし、リピーターも当然出ようから、前作『千と千尋の神隠し』の動員数2340万人、興行収入304億円の日本記録を更新する可能性も充分にある。正直、「あんな“空っぽ“な映画のどこがそんなによかったんだ」と思ってしまうけれどもね。
 でも、「空っぽ」だからこそ、観客がいくらでも想像力で物語を補完できるとも言える。斎藤環のように「ストーリーや整合性についての諸問題については、本作の圧倒的なまでの楽しさと、観ることの快楽の前には問題にもならない」(『キネマ旬報』12月下旬号)なんて、本作に数多の根本的欠陥があるにもかかわらず、そこからあえて「目を逸らす」ような、批評にもなってない、愚劣な感想文が垂れ流されている始末だ。もうこれは単に「宮崎駿ブランド」にみんなが群がってるだけにしか思えない。たとえどんなに「つまんないよ」と人から言われても、いったんは見てみないと気持ちが落ちつかない、そしてともかく「誉めなきゃいけない」思い込みに支配されてしまっているのだろう。まるで一時期の紅白歌合戦だ。……その『紅白』は史上最悪の視聴率で、39%だったとか。国民番組はなくなったけれど、国民映画は生まれてるってことか。
 けれど、そんなふうに「意味もなく」自分の映画が享受されることに一番苦々しい思いをしてるのは宮崎さん本人じゃないかと思うけどなあ。思いついたシーンから前後の脈略なく絵コンテを切って、あとでむりやりストーリーの辻褄合わせるのは最近の宮崎監督のやり方だけれど、今回の『ハウル』はその「辻褄合わせ」にかなり失敗していること、誰の目にも明らかだと思うんだが。だいたい宮崎監督自身が、「城の中身を作ること考えてなかった」「魔法で何でも解決していいのか」と悩んだ末、最後は「投げちゃった」ことを告白してるんである。てなきゃ、あんなにふざけた結末にゃならないよ(^o^)。
 もしかしたら宮崎監督は、「映画をマトモに見ようともせずに、無条件で自分を誉めるブランド志向のファン」を自ら裏切ろうとしてるんじゃなかろうか。穿った見方かもしれないが、そうとでも思わなければ、あんないい加減な映画を作った理由がわからないのである。もしそうだとしたら、『ハウル』を誉めること自体、大馬鹿野郎の烙印を押されることになりかねないので、ヒョーロンカの方々は、今回、いささか注意が必要じゃなかろうかと思うんだけど、どうでしょうかねえ。斎藤環の場合はもともと評論家としてのランクなんて無いも同然だったから、今更何の傷も付かないだろうけれども。

2003年01月04日(土) めかなんて、こどもだからわかんないや/『眠狂四郎』6巻(柴田錬三郎・柳川喜弘)/『ああ探偵事務所』2巻(関崎俊三)
2002年01月04日(金) 消えた眼鏡と毒ガスと入浴シーンと/『テレビ「水戸黄門」のすべて』(齋藤憲彦・井筒清次)
2001年01月04日(木) ああ、つい映画見てると作業が進まん/『快傑ライオン丸』1巻(一峰大二)ほか



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