無責任賛歌
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2004年10月02日(土) |
たいしてマンガ読んでないのかなあ。/『PLUTO プルートウ』豪華版1巻 |
小雨のぱらつく中、博多駅の紀伊國屋へ。 いつもは本を買いに行くためだけに出掛けるのをしげは嫌うのだが、今日は目的のブツが浦沢直樹の『PLUTO』だから、何の反対もせずイソイソと出かける支度をするのである。DVD『サムライチャンプルー』の2巻も入手。ついでに『MONSTER』のDVDも予約してしまったが、ちょっとここらで給料上がってくれないと、月々のDVD代がハンパな額じゃなくなってきているのである。……いや、買うの控える方がマトモな発想というものではないのか(^_^;)。
手塚治虫×浦沢直樹『PLUTO プルートウ』豪華版1巻。 先に書いときますが、内容には一切触れません。このマンガの面白さ語り出したら、それこそもう絶対に止まらないから(^o^)。いやもう、これだけ密度の濃いマンガ読まされたら、なんかしばらくほかの 連載中から、こいつだけは豪華版が出るんなら絶対そっちで買おうと決意していたのだが、いや、やっぱり買ってよかった。 「とりあえず中身読めりゃいい」と仰る方にまで1800円出して豪華版買えとまでは言わないけれど(こういうのは売れ行きが悪いと次巻から出なくなることもある)、やはり雑誌サイズの大きなページでカラーページも再現されてる、となると、迫力が違うのである。表紙のメタリックな装丁もすっげーいい。アトムの輪郭の切り抜きの向こうからゲジヒトが覗いてんだからもう<カッコいいこと! 手塚治虫の『地上最大のロボット』を付録につけてたのは、すでに何冊も持っている(^_^;)身にしてみれば「またかい」なのだが、これで初めて『アトム』を読む、という人にはボーナスだろう。 でも、しげは『プルートウ』読んだ後、『地上最大のロボット』を読んで、「つまんない」と言って放り出してしまった。そりゃ昔のマンガだし、少年マンガどころかコドモマンガなんだから、表現が単純なのはその通りなんだけれど、エッセンスは感じてほしいところなんだけどなあ。
書庫から溢れ出てるマンガの山を見ていると、それなりの量を読んできたもんだとは思うけれども、では自分がマンガだの小説だのの読み巧者になれたのかというと、そんな自信はない。こないだ『ダ・ヴィンチ』を読んでいて、月間マンガ売り上げベスト20を見たら、買ってるやつが『鋼の錬金術師』8巻の1冊だけだったので愕然とした。 多分、私がひと月に買うマンガは30冊から40冊、ヘタをしたら50冊近く買う月もあると思うのだが、そういうのがほとんどメジャーではないのである。今、売れ筋のマンガに少女マンガ系、オタク系、が多いってこともあるんだろうが、つくづく自分の感性と若い人たちとの感性との間に溝があるんだなあ、と感じざるを得ない。こちらがトシ食った分、今更通り一遍な恋愛ものとかヤンキーマンガとか、読む気になれなくなっちゃってはいるのだが、それにしても、人気マンガのリサーチ能力が学生のころに比べると格段に落ちている。結婚して本屋の立ち読みの時間がなくなっちゃったってのも大きいよなあ。 けれども、じゃあ「売れてるマンガ」に食指が惹かれるかというと、なんかタイトル聞いただけでゲンナリするようなのが多くてねえ。みんな同人誌上がりじゃねえかってくらい、クサイんだわ(^_^;)。 正直な話、『ハガレン』だって原作派の方には申し訳ないが(また私の周囲って、原作派しかいねえんだよな、これが)、荒削りで物足りない部分がかなりある。日本製のファンタジーはゲーム系から流れた関係で、マンガも小説も全体的にレベル低いから(「富士見ファンタジア文庫」系のことね。世界観デタラメだもん)、愚作が腐るほどある中では比較的おもしろいってだけの話だ(錬金術を魔法でもエセ科学でもなく、「等価交換の法則」によって世界を構築する原理として描いた点が新しくはあったが)。 加藤くんとか、ハガレンを「壮大で重厚」って言ってたけど、この程度の設定で壮大とか言わんでくれと言いたくなる。『指輪物語』やら『ゲド戦記』の立場、なくなっちゃうでしょ。作品ってのは、その作品に見合った適切な評価をしないと、かえってその価値を貶めてしまいかねないのである。 それでもたとえば『DEATH NOTE』や『PLUTO』などのように、「これはすごい!」と感嘆するマンガが出てくると、まだまだマンガを読んでいたいなあと思うのである。いや、『ハガレン』も悪くないけどさ、もっともっと面白いマンガ、いっぱいあるんじゃないのかねえ。昔のマンガファンってのは一度ファンになったら、たとえそのマンガが完結してもずっとファンでありつづけたものだけれども、なんか今の若い人って一時的に熱狂はするけど、「読み捨て」感覚でマンガ読んでる気がしてさ、それが一番の溝になってる気がするんである。 まあ、こういう溝って埋める必要もないのかもしれないけど。
イギリスの雑誌“Empire”が行なった「史上もっともセクシーな映画スター ベスト100」という人気投票で、『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』や『キング・アーサー』のキーラ・ナイトレイが1位に輝いたとか。私には「なんだかなあ」だった『キング・アーサー』だったけど、お膝元のイギリスでは人気が高かったわけね。 ベスト20は以下の通り。
1.キーラ・ナイトレイ 2.アンジェリーナ・ジョリー 3.オーランド・ブルーム 4.ハル・ベリー 5.ジョニー・デップ 6.マリリン・モンロー 7.ジェニファー・コネリー 8.ヒュー・ジャックマン 9.スカーレット・ヨハンソン 10.ユマ・サーマン 11.コリン・ファレル 12.ポール・ニューマン 13.マーロン・ブランド 14.ナタリー・ポートマン 15.ブラッド・ピット 16.リタ・ヘイワース 17.グレイス・ケリー 18.モニカ・ベルッチ 19.エリック・バナ 20.ブリジット・バルドー
多分アメリカで投票したらかなり違った結果が出ると思うけれど、それにしてもベスト20見てるだけでなんか違和感を覚えてしまう。こういうのが「イギリス人らしさ」ってことになるのかねえ。よう分からんけど。 つまりこれは「セクシー」という言葉についての感覚自体が違ってるってことなのだろう。日本人はどうしてもこれを誘うような匂うような「イロケ」とのみ解釈してしまうが、英語ではそれも含めての男性女性の本質的な魅力、といった意味合いで使われている感じだ。 ……というのは好意的な解釈で、往年の名女優、名男優が必ずしも上位に名を連ねていない、ヨーロッパ系映画の俳優があまり顧みられていない(BBがやっと20位だ)、という点を考えると、セクシーもくそもねえ、ただの人気投票じゃないの、という気がしてくる。それが証拠に、6年前にも同じアンケートを取ったそうだけれど、その時の1位、ケイト・ウィンスレットは今回35位にまで沈んでいる。イギリスでもどこの国でも、若い人は特にだろうが、話題作以外の映画なんて見ようともしていない、という傾向が強いようだ。 日本人では唯一、栗山千明がベスト100に名を連ねているそうだが、これも『キル・ビル』以外に日本人が出てる映画を知らからなんだろうね。
それから、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』の売れ行きが鈍いそうな。 初版290万部、と言われてもピンと来ないが、紀伊國屋で1コーナー全部『ハリポタ』という状況は見ているから、こんなに山積みにしてたら、かえって購買欲を殺ぐんじゃなかろうかとは思っていた。それでもこれまでの四作は売れていたというから、時の勢いというものは恐ろしい、と言わざるを得なかったが、それにもやや翳りが見えてきたということか。といっても200万部はハケそうだというからまだまだバケモノみたいなヒット商品であることに疑いはない。 ご存知の方も多かろうが、『ハリー・ポッター』シリーズは返品不可、書店の完全買い取り制度である。つまり、注文があった分だけ売りに出す、というシステムを取っているわけだけれども、これは小さな書店にまで本が出まわらないという“書店側の”苦情を受けて、出版元の静山社がそのように切り替えた、ということだそうな。だったら書店が「買い取った本がだぶついて困る」と愚痴をこぼすのは筋違いというものだろう。ましてや「ハリポタのせいで、ほかの出版社の本を返本しなけりゃならなくなる」なんて、書店が言うセリフか。つかさー、前の『炎のゴブレット』のときも同じニュースが流れてたんだけど、全国の書店は学習能力ないのか。 次巻は多分もちっと初版部数を落とすんじゃないかとは思うけれど、あと二作で完結なんだから、7作揃えてセットで売るとか、いろいろ売るための努力してみたらいかがざんしょかね。
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