無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2004年05月15日(土) 遅れ馳せながら今年の「アニメグランプリ」。

 今日もまた雨。
 朝から映画に行く約束をしていたのに、鬱陶しいったらない。けれど別の日に延期するとまたしげと時間が合わなくなるし、今日の映画は事前に前売券を買っておいたので、今更中止は出来ないのである。なのに、朝起きてみると、しげが目の下にクマを作って、ゼイゼイ荒い息を吐いている。いったいどうしたんだと聞いてみると、また緊張して眠れず、一晩徹夜してしまったのだという。
「薬飲んだら眠り過ぎちゃうし」
 って、それで眠れなかったら意味ないじゃん。つくづく自分のコントロールが出来ないやつである。
 フラフラのしげを連れてくわけにはいかないので、夕方まで寝かしとくことにする。
 その間、本を読んだり、私も映画中に居眠りせぬように昼寝。
 夕方4時、しげを起こして天神まで出かける。映画が始まるのは6時だとしげから聞いていたので、いつも通り、現地に早めに着くようにした。上映の1時間半も前というのはいくらなんでも早すぎる気がするが、超せっかちの焦りんぼであるしげは、これくらい早くないと安心できないのである。
 ところが、親不幸通りに着いて、目的地のシネテリエ天神で時間を確かめてみると、映画の始まりは6時半からであった。
 ……さすがに2時間も早く出ることはなかったよなあ。しげに時間の確認をさせたら、これだから(-_-;)。


 時間潰しのために、アニメイトに寄る。たまにしか来ないが、来たら来たで欲しいグッズが結構出てるものだ。垂涎垂涎。けど給料日前だから財布からはヨダレも出ない。
 前回来たときより格段に増えてるのは『鋼の錬金術師』グッズ。いきなりワゴンにコーナーができていて、バッジやらハンコやらクリアファイルやらの定番もの、そこだけでも収まりきれずに別の棚にもはみ出している。驚いたのはエドワード・エルリックのあの真っ赤なコートのコスプレ用衣装を売ってたこと。なんと38000円もする。
 「スゲエな、こんなん着たがるやついるんかな」と笑っていたが、しげが突然「これ欲しい!」と言い出した。
 「欲しいって……いつどこで着るんだよ」
 「外で着ないと意味ないやん」
 「着て歩けるか? これ」
 「そりゃ、知り合いには見せられないけど」
 「……知り合いじゃなきゃ見せられないだろう、さすがに」
 もちろん財布にそんな金は入ってないので買いはしなかったのだが、売りきれない限り、近々ソイツをしげに買わされそうな気配である。……って、ホントかよ(@_@;)。

 まだ時間が余っていたので、モスバーガーに寄って、アニメイトで買った『アニメージュ』6月号を立ち読み。昨年のアニメグランプリは、予想通り『ハガレン』が6部門制覇。『ガンダムSEED』をふっ飛ばしてのベストワンは実に嬉しい。そう言えばその昔、『ガンダムW』を『エヴァンゲリオン』が蹴飛ばしてくれた時も喚起の声を上げたっけ。
 一応、ベストテンを上げておくと以下の通り。
 1,鋼の錬金術師…………………4545票
 2,機動戦士ガンダムSEED……2745票
 3,ゲットバッカーズ奪還屋…….. 627票
 4,最遊記RELOAD……………… 297票
 5,宇宙のステルヴィア…………… 276票
 6,犬夜叉…………………………… 261票
 7,D.C.ダ・カーポ………………… 198票
 8,テニスの王子様………………… 192票
 9,PEACE MAKER 鐵…… 183票
 10,NARUTO…………………… 179票
 票数を見る限り、人気はハガレンとシードに二極分布していて、あとは、順位はさほど関係がない感じだ。
 『アニメージュ』の購買層は今でも中高生の女子が多いのだろう。そういう子たちと四十男の私との趣味が一致するはずもないし、一致してもそれはそれで困ってしまうのだが、アニメファンの「浸透と拡散」は年々広がる一方だなあと痛感する。3位以下の作品は、正直言ってチラッと見たことはあるけれども、脚本、作画、演出ともにたいして秀でたところがあるとも思えず、続けて見ようという気が殆ど起きなかったものだ。もちろん私の見た回がたまたまそうだっただけで、シリーズ全体だと面白かったのかもしれないが、これだけ数多くの作品が上映されていると、全てを追っかけて見る気になれるものではない。『ハガレン』のポジションが私と十代の女の子とで一致したというのは、さて、どう判断したらいいものか。
 ちなみに、私が昨年のアニメでベストテンを作ればこんな感じになる。
 1,クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード
 2,鋼の錬金術師
 3,東京ゴッドファーザーズ
 4,攻殻機動隊SAC
 5,茄子 アンダルシアの夏
 6,プリンセスチュチュ 
 7、THE ビッグオー〔第2期〕
 8,キノの旅
 9,GUNSLINGERGIRL
 10,京極夏彦 巷説百物語
 次点 魁! クロマティ高校
 シリーズものは最低でも10話以上を見て入るものを挙げた。
 『鉄腕アトム』とか、あれだけ熱心に見てたのに、ベストテンに入れる気になれなかった。よかったのは最初の数話だけ、全シリーズ通して見ると、余りに愚作が多すぎた。
 『ジャングルはいつもハレのちグウ デラックスュ』や『カレイドスター』、『花田少年史』『GADGARD』『キングゲイナー』あたりは、7位〜10位あたりと入れ替えても差し支えない出来のものばかりである。
 福岡で放映されなかったので見られなかった作品も多いので、昨年は不作だったなんて言うつもりはない。『R.O.D』や『ドッコイダー』は見てみたかった。『冬の日』などはDVDを買おうかどうか迷ったが、気が付いたら店頭から消えていた。買っときゃよかったと後悔している。
 しかし、私が好んで見た作品って、『アニメージュ』読者にとってはベスト30にも入らないものばかりだ。アニメは基本的に若い人のものだと思うので、私の趣味はもう完全に傍流になってしまっているのである。やっぱりオタクだなんて、おこがましくて言えないやなあ。


 映画は『ロスト・イン・トランスレーション』。
 シネテリエ天神はビルの地下にある80人ほどしか入らない小さな映画館なので、初日で休日ということもあってか、ほぼ満席。客層も老若男女、外人さんもいて実にバラエティーに富んでいること。ここんとこ、客層の偏った映画ばかり見ていた気がするから、何となく安心してしまう。映画はたいしたケレンもないが、実に淡々と「異邦人の孤独」を描いていて好ましい。お客さんも概ね満足して帰っていく様子。毀誉褒貶激しい映画も、悪態つきながら帰る客を見ていると面白くはあるのだけれど、毎回殺伐とした雰囲気を味わいたくもないから、こういう映画を間に挟むと随分ホッとするのである。
 映画館の外はまだ雨がかなり強く降っている。車を停めた駐車場まで一区画ほど歩かなければならなかったが、その間はしげと相合傘である。でも、しげに握らせた傘がやたら揺れて私の後頭部を打撃するので、あまりロマンチックなムードにはならないのだった。

2003年05月15日(木) すっ飛ばし日記/ベストテンな本
2002年05月15日(水) 目出物雄三ってキャラが某マンガにいたね/『まんが アベノ橋魔法☆商店街』(鶴田謙二)/『ガウガウわー太』3巻(梅川和実)ほか
2001年05月15日(火) 本を売るならBOOKOFF/『BLOOD THE LAST VAMPIRE 2000』(玉置勉強)



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