無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2004年03月12日(金) だに゛を゛しゃべっでんだが、わがんね゙。

 しげ、昨日から具合悪し。
 鼻をズルズルと鳴らしてるところを見ると、なんだか風邪っぽいが、「はな゛み゛どぅか゜どま゛らな゛い〜」と何やらわけの分らない言葉を呟いているので、多分、宇宙人か小人さんに脳を乗っ取られているのであろう。
 職場に、わざわざ鼻にティッシュを摘めてる写真をメールで送って来たので、同僚に見せたら、思いっきり受けた。普通、女房の写真を人に見せるというのはノロケの場合が圧倒的に多いだろうが、ウチの場合はたいていがウケ狙いである。だってラブラブな写真なんてウチには殆どないし。プリクラだって殆ど撮ったことがない。もしかしたら二人でツーショットの写真って、数枚しかないんじゃないか。

 仕事がハネて、しげと待ち合わせ。しげの鼻声、ますます悪化しているが、今日は姉の店に寄って散髪するように言われていたので、どうしても車で送ってもらわないといけない。公共の交通機関だと、閉店までに間に合わないので、病人だろうと容赦してられないのである。
 しげも店の入口のところまで一緒に来ていたのだが、熱発してきたのか、あふあふ言い出していたので、一足先に帰らせた。
 父が、「来とったんなら、顔くらい見せればよかとに」と口をすぼめていたが、さすがに歩く恥知らずのしげでも、鼻にティッシュ突っ込んだ顔をナマで見せる勇気はなかろう。父、見舞いとホワイトデーのお返しを兼ねて、ワインをくれた。しかも5本。しげを飲んだくれか何かと勘違いしてないか。人と一緒のときならともかく、しげは家では一切酒を飲まないし、そのことは父に何度も教えてるんだが。

 博多駅を回って、紀伊國屋で本を物色。
 晩飯は吉野家の豚丼(並)、250円。メチャ安。
 期間限定の低価格で、牛丼が出せないための客離れを防ごうということなんだろうが、その戦略が図に当たったか、待ちが出るほどの盛況ぶりである。
 ……それにしてもいいトシしたサラリーマンの客がやたらと多いけど、ウチに帰って家族で食事するってことはないのかね。それともみんな単身赴任か独身なのか? まあ、家族がいるにしろいないにしろ。何か「事情」がありそうで、なんだかうらがなしくなってくる。で、並だけ頼むってことしないで、必ず「卵」とか「味噌汁」とか、一品余計に付ける人ばかりなのである。少しでも贅沢を、という気持ちなんだろうが、かえっていじましく見えてしまう。安いから食べるんだろう? 並だけでいいじゃん、スキっと行こうよ……。と、心の中だけで呟く。


 帰宅は8時過ぎ。買ってきたDVD『悪霊島』などを見る。これもいろいろと不満の多い映画だけれど、今見ると出演者がやたら死んでるのに驚く。しかも古尾谷雅人に伊丹十三は自殺だ。まさしく悪霊に憑かれた映画だったんかな。この映画の何が怖いって、一番怖いのはお下げ髪の岩下志麻であろう(^o^)。加賀丈史の金田一耕助は、慣れればそう悪くはなかったと思う。横溝正史が『女の墓を洗え』を完成させてれば、その映画でも加賀丈史が金田一を演じてたかもなあ。


 テレビの新作、4月3日放映の3時間ドラマ、『犬神家の一族 〜誰も知らない金田一耕助〜』で20代目の金田一耕助を演じるのはSMAPの稲垣吾郎だとか。まあ地味目の顔だから、金田一に似合わないこともないか。これで稲垣吾郎は、明智小五郎、金田一耕助の二大名探偵を演じることになったことになる。既に次作『八つ墓村』の撮影にもかかっているそうだが、そろそろ『白と黒』を映像化してもいいんじゃないかなあ。

2003年03月12日(水) ケダモノに振り回されてる話/映画『美女と液体人間』『大怪獣バラン』
2002年03月12日(火) 「思春期」という名の汚泥/『サブカルチャー反戦論』(大塚英志)ほか……“NEW”!
2001年03月12日(月) 伏字な話/ドラマ『D』episode1 ほか



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